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「現代サッカーのスキルはフットサルから発信される」/ミゲル・ロドリゴの教室

11月のCOACH UNITED ACADEMYでは「トレーニングデザイン」をテーマに、フットサル日本代表監督ミゲル・ロドリゴ氏のノウハウを全4回に渡って公開しています。第3回は実践編として、ある1日のトレーニングをウォーミングアップからゲームまで、1セットトータルでデザインしてもらいました。最終回となる第4回は、ミゲル氏の講演に通底する「フットサルトレーニングのすすめ」というメッセージで締めくくります。(取材・文/木之下潤)

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<<「必要なコンテンツを組み合わせ、身体と頭を働かせよう」

■太く頑丈に育てたい「フットボールの木」

冒頭から、ミゲル氏はこんな質問を投げかけてきました。

「サッカーとフットサルでは、1分間あたりのボールタッチ数にどれくらいの差があると思いますか?」

結果はフットサルの方がサッカーよりも6倍のボールタッチ数があるそうです。続けて、ミゲル氏はこう強く主張しました。

「もし日本が育成年代からフットサルに慣れ親しんでいれば、いまよりもっとテクニックと判断に優れた選手が生まれるはずなんです」

実は、スペインやポルトガル、ブラジルやアルゼンチンなどの国々では、このことが当たり前の考えとして受け入れられています。優秀なサッカー選手を育てるために、ジュニア年代はフットサルから学び始めるのです。

「私は頭の中でこんなイメージを持っています。目の前に、フットボールという木があるとします。その木が立派に育つためには、根元の部分が太く頑丈でなければなりません。これを選手たちに置き換えてみてください。成長過程にある根元をジュニア年代と捉えると、こんなふうに見ることができます。

9~10歳まではフットサルからフットボールの根本的なものを多く学ぶ。そして、12歳までは7人制または8人制のサッカーに取り組む。

なぜなら、たくさんボールに触れる機会があるからです。第3回までに、インテリジェンスな選手を育成するには、早い決断を必要とするアクション状況がカギを握ることをお伝えしました。ボールタッチ数の増加はモチベーションアップにもつながるため、特にジュニア年代においてはフットサルが大いに役立ちます。この年代は『脳が最も発達するゴールデンエイジ』ですから多くの刺激を必要とします。

もうひとつ、子どもに大人用の靴を履かせるお母さんやお父さんはいませんよね? 自転車だって大人用のものは与えないでしょう。それと同様に、フットボールも各年代の成長に合わせた指導方針をとり、トレーニングを行なうべきです。そのためには成長段階に応じてボール、スペース、ルールなどを適切に使い分け、選手のスキルに合わせてトレーニングメソッドを考えることが重要なのです」

13歳になれば、必然的にサッカーをプレーする上でフィジカル的要素が不可欠になるため、11人制なのかフットサルなのかという選択が生じてくるでしょう。実際には、スペインやポルトガル、ブラジルやアルゼンチンでは多くの選手がサッカーを選ぶそうですが、「たくさんボールに触れられる」「それまでの仲間がたくさんいる」「学業との両立がやりやすい」などの理由で、フットサルを続ける選手もいるそうです。ただ、ここで大切なことは選択肢を持っているということです。

■「フットサルからサッカーへ」これだけの理由

続けてミゲル氏は、アルゼンチン代表のストライカー、イグアイン選手によるこんなコメントを紹介してくれました。

「ゴールを取りたければ、フットサルをやることだね。フットサルはゴールが小さくて、ボールを受けてから考える時間も短いし、サッカーよりGKの動きを細かく見ていなければいけないんだ。そんな状況で結果を求められるんだから大変なスポーツだよ。でも、そこで得た感覚をサッカーに持ち込むと、『あんなに大きな枠にボールを入れればいいんだ』って感じる。時間がたくさんあるし、スペースも広いんだよ。」

ミゲル氏は、この考え方がとても理に適った論理的なものだと言います。ブラジル代表のネイマール選手がフットサル出身であることも有名です。彼は15歳まで必ず週1回フットサルの練習に参加していたそうです。それは、サントスFCが判断・決断のスピードを向上させるにはフットサルが有効だと理解していたからです。

最後にミゲル氏は、ジュニア年代でも簡単にフットサルを活用することでサッカーに必要なプレーを身に付けられる事例をひとつ挙げてくれました。

「サッカーの練習でローバウンドのフットサルボールを取り入れたら、習得できるスキルの質を変えることができます。私はここに注目してほしい! 通常のサッカーボールであれば反発力があるため遠くに飛びますが、フットサルボールは反発力が低いので遠くに飛びません。

そうすると、必然的にショートパスが主体になります。それにともない周囲の選手たちはサポートの距離を意識するようになるし、自然とボールの引き出し方を工夫するようになります。相手守備のギャップ、つまり『ライン間』でボールを受けるスキルが高い選手が現れるようになるのです。

要するに、ボールが常に足下にあるから遠くに蹴らず、スモールサイドで局面を打開する方法を考えるようになるのです。指導者がそのような環境に仕向ければ、ジュニア年代の子どもたちは自然と考えることが当たり前になります。それが局面をインテリジェントに解決する選手を生み出す方法なのではないでしょうか」

日本では、フットサルがまだまだ新しいスポーツだという認識があります。これはスペインやブラジルなどでも数十年前は同じような状況でした。しかし昨今、それらの国では様々なスキルがフットサルからサッカーに発信されるのがスタンダードになっています。

ミゲル氏曰く「専門特化が進んだトップレベルのフットサルにおいて、サッカーのスピード感で上手くプレーできない選手がそこで上手く順応できるわけがない。なぜなら頭と身体に求められるスピード感はさらに速いから」――。サッカーをさらに上手くなるためには、フットサルの活用が一番の早道です。ミゲル氏から溢れるフットサルへの熱い思いは、COACH UNITED ACADEMYのセミナー本編でぜひご覧ください。

ミゲル・ロドリゴ(Miguel Rodrigo)
1970年7月15日生まれ。スペイン・ヴァレンシア出身。イタリアのルパレンセ・パドヴァやロシアのディナモ・モスクワ、スペインのカハ・セゴビアなどで指揮を執った後、2009年6月フットサル日本代表監督に就任。2010年AFCフットサル選手権3位。2012年AFCフットサル選手権優勝。2012 FIFAフットサルワールドカップでは日本代表史上初のベスト16に導く。2014年AFCフットサル選手権で大会2連覇を達成。FIFAインストラクター、スペインサッカー協会フットサル指導者資格保有。

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