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トレーナーがいないサッカー部にも遠隔指導。ITが実現した「4つのサポート」

昨年度の全国高校サッカー選手権――。準優勝の國學院久我山高校の選手から聞こえてきたのが「三栖さんのおかげです」「三栖トレをやっているので」といった、三栖英揮フィジカルコーチに対する感謝の言葉だった。

たしかに、國學院久我山高校の選手の動きの良さは、他校と比べても際立っていた。身長が低くても当たり負けせず、敏捷性を活かしたスピードを武器に、決定的なプレーを連発した。

彼らのプレーを支えたのが、三栖トレーナーの指導、通称「三栖トレ」である。近年、注目を浴びつつある「三栖トレ」が、ITを使った遠隔指導を実用化させるという。はたして、どのような取り組みなのだろうか?(取材・文/鈴木智之)

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■ITを活用した新たなチャレンジ

育成年代の指導において、着実に実績と成果を積み上げている「三栖トレ」。その手腕が知られるにつれ、トレーニングを希望する選手やチームが増えてきた。しかし、時間やスタッフのマンパワーには限りがあり、「うちのチームを指導して欲しい」というオファーすべてに応えるのは不可能だった。この状況をどうすればいいか――。

そんな悩みを解決に導いたのが、ITである。三栖トレーナーが語る。

「過去にもいくつかのチームから、うちの選手を指導してほしいとお願いされたことがありました。我々としても気持ち的にはお応えしたいのですが、どうしてもスタッフのマンパワーにも時間にも限りがあります。年に数回チームに伺い、トレーニング指導をしたこともあったのですが、成果が目に見えてわかりにくい部分もあり、継続的なトレーニングの重要性を再認識しました。
スポットでのチームサポートは控えていたときに、CLIMB Factory(クライムファクトリー)さんからオファーを受けて、ITを使えば、遠方にいても継続したトレーニング指導ができるのではないかと考えました」

CLIMB Factoryは前回の記事でご紹介した『CLIMB DB』という、選手のコンディション管理データベースなどのツールをスポーツの現場に導入し、さらなる選手・チーム力の向上を手助けするIT企業である。

三栖トレーナーは遠隔指導を「新たなチャレンジ」と考え、導入を決めた。

では、具体的にどのような形で遠隔指導を行うのだろうか。三栖トレーナーによると「4つのサポートに分けられる」という。

それが①トレーニング計画の作成、②コンディショニングに対するアドバイス、③体力測定に対するフィードバック、④コンディショニング情報の配信だ。

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■遠隔指導で行う「4つのサポート」

三栖トレーナーはそれぞれについて次のように説明する。

【①トレーニング計画の作成】
「最初にチームの練習環境やスケジュールをヒアリングし、それに合わせて62種類のトレーニング動画の中から、この日にこのメニューをやってくださいという形でアドバイスさせて頂きます。
普段から筋力トレーニングを取り入れているチームであれば、試合や練習などの活動日程と照らし合わせて、今週は筋力トレーニングをこの日にやるのが良いですよといったように、トレーニングの計画を作成します」

【②コンディショニングに対するアドバイス】
CLIMB Factoryが提供する『CLIMB DB』のアプリ機能を使い、練習前後の体重や睡眠時間と質、肉体的疲労度、身体のキレ、練習強度などの情報を読み取り、選手のコンディションを分析し、アドバイスに役立てる。

「日々、選手たちが入力するコンディションデータを元に、今月は試合数が多く選手の疲労度が高かったので、来月はこのようなトレーニング計画でやりましょうといった形で提案させて頂きます。指導者や選手からの個別のコンディショニングに対する質問はいくつかピックアップし、毎月お答えする予定です」

【③体力測定に対するフィードバック】
決められたテスト項目をチームで実施してもらい、そこで得た数値をアプリに入力することで、チーム内でのランキングや、蓄積されたデータからのレベル判定、同世代の選手達の数値と比較し、フィードバックを行います。

「体力測定に関しては、色々なチームで実施しており、データが蓄積されているので、他チームとの比較や、同年代の平均との比較結果がわかるので目標設定に活用することができると思います。また、フィジカル面での成長の記録をデータとして残すことができるので、選手のモチベーションアップにも役立つと考えています。」

【④コンディショニング情報の配信】
「夏前の気温が高くなり始めるような時期であれば、熱中症の予防や水分の摂り方といったように、時期に沿って、選手と指導者から質問が多い内容について情報を発信したいと思っています。データベースの中にコンディショニングの資料をアップロードして共有し、選手や保護者に配布して頂くなど、様々な活用方法があると考えています」と語る。

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■ITの導入でスポーツ指導の可能性が広がる

近年、IT技術の進歩により、多くの分野で、ひとりが多人数にアプローチできる時代になった。人的リソースの問題を、テクノロジーで解決することができるという意味で、新たなスポーツ指導の形が出来つつあると言えるだろう。三栖トレーナーは言う。

「近年、以前に比べればスポーツ医科学は身近になってきましたが、トレーナーの教育や数が追いついていない現状があります。また、東京を中心とした関東圏にはトレーナー派遣を行っている組織や施設も多くありますが、地方に行くとまだまだ少ない地域があります。
今回のようなITを使った指導が確立すれば、アプローチできるチーム、選手も増えていくので、積極的に活用していきたいですし、我々としても新たなチャレンジとして、積極的に取り組んで行きたいと思っています」

ITの導入により、スポーツ指導の可能性が広がることは間違いない。指導者の立場からすると、質の良い情報を簡単に入手することができ、アプリなどを使うことで、共有できる情報は多くなる。

スポーツ指導の重要なツールとして、ITはチーム力アップに不可欠な時代になってきているのだ。今後、どのような形で「三栖トレ遠隔指導」が広がりを見せていくのか、注目が集まる。

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三栖英揮(みす・ひでき)/
1978年生まれ。(株)M's AT project代表取締役。箕山クリニックサポートスタッフ。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、日本トレーニング指導協会認定トレーニング指導者。國學院大學久我山高校サッカー部、川崎市立橘高校サッカー部などで指導を行なっている。

■オプションで三栖トレ遠隔指導が受けられる「CLIMB DB」とは
選手のフィジカル・メディカル・コンディションに関するあらゆる情報を集約して一元管理し、データやノウハウを蓄積。チーム内のコミュニケーションを円滑にし、データを元に日々の指導やトレーニングメニュー作成にご活用頂けます。10月末までの特別キャンペーンでCLIMB DBにお申し込み頂ければ、三栖氏が考案した怪我を予防し、競技力向上の土台となる62種類のエクササイズ動画を無償でご提供致します。
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【CLIMB DBの問い合わせ先】
CLIMB Factory 株式会社
営業部 若松・田中
03-5333-6577
MAIL:wakamatsu-wataru@climbfactory.com

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