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【動画あり】指導者は知っておきたい!「ケガの予防」に重要な3つのポイント

サッカーのみならずスポーツ選手にとって避けたいことの一つに"ケガ"がある。ケガをすると、負傷した部位だけでなく、コンディションの低下など、様々な悪影響が起きてしまう。選手にとって「いかにケガをせずにプレーを続けられるか」は、とても重要なことだと言えるだろう。

そこで前回記事で紹介したコンディショニング管理の仕方に続き、國學院久我山高校などでフィジカルコーチを務める三栖英揮氏に「ケガの予防」についてポイントを聞いた。(取材・文/鈴木智之)

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■ポイント1:人間本来の機能を維持すること

サッカーにおいて多い傷害として、足関節、膝関節の靭帯損傷や、股関節周囲や腰部の慢性的な障害などがあげられます。

ケガの予防というとこれらのスポーツ傷害一つひとつに対して取り組むプログラムのように感じますが、三栖トレーナーは「筋の柔軟性や各関節の可動性、安定性など、人間本来の身体機能を改善、維持させる事がスポーツ傷害の予防につながります。」と語る。

「一つの例として、股関節の可動性が低下している選手が、プレー中に相手のボディコンタクトをうけバランスを崩したとします。バランスを保つためには、股関節で不足している可動域を隣接するセグメントである、腰部(腰椎-骨盤帯)や膝関節で補う事となります。バランスを保つためにより大きな力の発揮が要求される事となり、傷害発生のリスクは高くなってしまいます。傷害予防というものは、そういったリスクを最小限に抑える事です。各関節の正常な可動性を維持し、安定性を向上させるプログラムに取り組むことが、〝ケガの予防〟につながります。」

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■ポイント2:トレーニングの内容よりも計画が重要

ケガの予防の観点で、忘れてはいけないのがトレーニング計画だ。「試合や高強度の練習後に適切に回復させる期間を設けないと、傷害発生のリスクは高まります」と三栖トレーナーは言う。

「未だ、日本の多くのスポーツ現場では、トレーニングが計画的にプログラムされる事無く、行われているように思えます。当たり前のことですが、試合や高強度のトレーニングが3日も続けば、いくら予防プログラムに取り組んでも、身体機能の維持をする事は困難です。
ケガの予防で一番大切な事は、トレーニング計画です。チームスケジュールに目を向け、適切なトレーニングサイクルを作ること、その中に予防プログラムを組み込むことが重要です。
様々なトレーニングメニューを手軽に知る事ができる時代です。流行っているから、本で見たからなどではなく、まずは自らのチームの現状にあった形でトレーニング計画を立て、現実的で無理なく取り組めるトレーニングシステムを作成する事が大切です。」

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■ポイント3:年齢や学年ではなく身体的特性に応じたトレーニングを

筋力トレーニングを実施する際、よくある疑問に「何歳から始めればいいのか?」というものがある。この問いに対し、三栖トレーナーは次のように語る。

「PHA(age of peak height velocity:身長最大発育量年齢)と言って、最も身長が大きく伸びる時期があります。PHAの平均は男子で13歳前後と考えられていますが、とても個人差が大きいのが特徴です。このPHA以降は体重に対する筋量が大きく増加する時期で筋力が大きく発達します。
このPHA以降には、乳酸が生成され短時間で疲労するような、筋に対して大きなストレスのかかるプログラムを段階的に導入していきます。ただ注意が必要なのは最終的に身長が止まるまでは骨・軟骨は成人よりも脆弱であるため、筋力に見合わない重量を扱うことはリスクもあります。
つまり筋力トレーニングは、中学、高校年代と段階的に負荷を増加させて、正しいフォームで高重量を扱えるように時間をかけて専門家の指導のもとトレーニングする事が大切です。」

筋力トレーニングのみならず、育成年代でのフィジカルトレーニングのポイントは、発育・発達の段階に合ったトレーニングを計画的に行うこと。

そして、より上のカテゴリで活躍を目指す選手は、「近い将来、どのようなタイプの選手になるか」を予測しながら、必要なトレーニングを積むこともポイントになる。

「私が指導をする國學院久我山高校サッカー部には、小柄な選手も多くいます。PHAを過ぎて高校3年を迎えた160cmの選手が、大学に行って180cmになることは、まずありえません。小柄な選手として筋力を強化していく中で、どのようにパフォーマンスに結びつけるのか?小柄であるからこそ細かい動作の精度を上げて、よりスムーズに身体を操れるようにする、いかにスピードのロスを少なくするのかなど、自分自身の身体的特性を理解しながらトレーニングに取り組むことも大切だと思います。」

今後、選手個々の特性に合った、ケガをしないための体づくりの重要性は、さらに高まっていくことだろう。正しいトレーニング計画と内容。そして、なりたい自分になるための日々の取り組みが、将来のレベルアップにつながっているのだ。

最後に三栖トレーナーが現場で実践するケガの予防プログラムをいくつかご紹介しよう。ぜひチームのトレーニングに役立てていただきたい。


■エルボートゥーインステップハム(3P コンボストレッチ)

【目的】体幹部の安定性と股関節、胸椎の可動性、ハムストリングの柔軟性を改善

【手順】前脚が90度になるように脚を大きく前後に開く。胸を張り、臀筋群の収縮を意識して後ろ膝を伸ばした状態から前脚側の肘を地面に近づける。続いて、胸を開くように手を開き胸椎を回旋させる。最後に、両手を地面に着けて前脚のつま先をすねに向かって引きあげながら、臀部を上に突き上げる。

【注意点】常に胸を張るようにする。


■3ポイントトランクローテーションwithバックキック

【目的】体幹の安定性を向上

【手順】四つ這いで片方の手を頭の後ろに置き、胸を張るように大きく肘を開く。この状態を維持したまま、逆側の脚を遠くに伸ばすように後ろへ伸ばす。

【注意点】
・下部体幹をしっかりと安定させた状態で行う。
・背中が丸まらないように注意する。


■ペア グルーツスクワット

【目的】下半身の股関節での引く動作。ハムストリング、大臀筋の強化

【手順】同じくらいの体重の選手を背負う。胸を張った状態を維持し、股関節を折るように身体を前に倒す。この際に膝をしっかりと曲げるが前方へ移動しないように注意し、臀部は高い位置を保つようにする。

【注意点】
・膝を前に出さないように注意する。
・背中が丸まらないように注意する。


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三栖英揮(みす・ひでき)/
1978年生まれ。(株)M's AT project代表取締役。箕山クリニックサポートスタッフ。日本体育協会公認アスレティックトレーナー、日本トレーニング指導協会認定トレーニング指導者。國學院大學久我山高校サッカー部、川崎市立橘高校サッカー部などで指導を行なっている。

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