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GKが身につけておくべき正しいポジショニングとキャッチング動作/FC東京U-18のGK基礎トレーニング

COACH UNITED ACADEMY、今回のテーマは「GKトレーニング」。講師を務めるのは、FC東京U-18の山下渉太GKコーチだ。前編のテーマは「ポジショニングとキャッチ、ダイビングキャッチ」。チームにGKコーチがおらず、専門的なGKトレーニングに取り組むことができない方は、ぜひ参考にしてほしい。(文 鈴木智之)

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■"ひも"を使い「正しいポジショニング」を学ぶ

最初のテーマは「ポジショニング」。山下GKコーチはゴールとひもを使って、選手に正しいポジショニングを教えていく。山下コーチは言う。

「GKが守るゴールは、高さが2.44m、幅が7.32mあります。非常に大きいですが、正しいポジションに立つことで、守る幅を狭めることができます。ポジショニングはGKの基礎であり、キャッチング、ダイビング、セービングの前に行う大切なものです」

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山下コーチはそう言うと、ゴールエリアの左角、やや内側にキッカーがいると仮定して、どこに立てばゴールを守りやすいかを、キッカーを起点に左ポスト、右ポストにそれぞれ白いひもを結びつけ、ポジショニングを説明していく。

「ポジショニングの基本は、ゴールの中心とボールを結ぶライン上に立つこと。そうすることで、横に倒れさえすれば、ゴールの幅を守ることができます」

試合中は、ボールの位置に応じて移動し続けなければいけないので、常に正しいポジションに立つことは難しいが、正しい知識をもとに繰り返しトレーニングを行い、ポジショニングを意識することは、GKのキャリアをスタートさせる育成年代から頭に入れておきたいポイントだ。

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ここからは、実際にFC東京U-18で行っているトレーニングの実演がスタート。まずは「座った状態でのキャッチ練習」から。やり方としては、GKが足を開いて座り、コーチがGKの前方に立ち、ボールを手渡しする。GKは座ったままの状態で前方、左右のボールを3回ずつキャッチする。

次はGKが右太ももの側面を地面につけた姿勢で座り、コーチが3mほど離れたところから、GKの右前方へ下手投げでボールを投げる。右方向を4回キャッチしたら、今度は同じ回数、反対サイドの左前に投げてキャッチする。

ここで山下コーチがアドバイスをしていたのが「手を伸ばすこと」と「ボールに対して顔の正面で、素早くキャッチすること」。さらに、正面のグラウンダーのボールをキャッチする際には、GKの手がボールの上から被るように出ていたところを見逃さず「小指が地面に擦るように手を出そう」とコーチング。GKのどの動きに対してコーチングをしていたかは、COACH UNITED ACADEMY動画で確認して頂ければと思うが、GKの専門家ならではの、技術の良し悪しを見抜く目を見ることができる。

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■体勢を整え最速のスピードでボールにアプローチする

次は、コーチがキックしたボールをキャッチする動作。コーチが浮き球、グラウンダーの速いボールを蹴り、GKは落とさずにキャッチする。動画ではGKの真横から撮影した映像も収録されている。GKのトレーニングを真横から見る機会は貴重であり、腕の出し方、倒れ方などがよくわかる。この映像は必見と言えるだろう。

続いては「両膝立ちからのダイビング」。山下コーチはこの動作を「膝立ちは高さが出るので、ボールに対するアプローチの角度など、難易度が上がります」と説明。GKが両膝立ちの状態で、コーチがバウンドするボールやグラウンダー、浮き玉のボールを投げ、フロントダイビングでキャッチする動きを繰り返した。

ここで山下コーチが強調したのが「トレーニングではボールが来る方向は予測できるが、実戦ではどこに飛んで来るかわからない」ということ。そのため「しっかりと構え、ボールに対して最速のスピードでアプローチすることが重要」というアドバイスが送られていた。

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動画前編の最後は「片膝立ちでのダイビング練習」。ここでは「足の裏で地面をしっかりと押し、地面反力を使ってボールに対してアプローチすること」を強調。足の力を地面に伝えるために、足首、ひざ、股関節の使い方、伸ばし方を、実演を交えて紹介していた。

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今回の動画では、デモンストレーションを様々な身長のアカデミー選手が担当している。動画をご覧になる方は、自チームのGKの身長や体格などと照らし合わせて見ることで、動作や体を動かすタイミングなどが参考になるだろう。GKコーチがいなかったり、専門的なトレーニングに取り組んでいないチームの方は、ぜひともCOACH UNITED ACADEMYの動画をご覧頂ければと思う。

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【講師】山下渉太/
FC東京U-18 GKコーチ。JFA公認B級、JFA公認GKA級ライセンス保持。東京学芸大ではキャプテンを務めた後、早稲田大学GKコーチとして指導をスタート。2011年にFC東京U-15にGKコーチとして加入。12年からは、U-15深川GKコーチ専任、16年途中からトップチームのGKコーチを担当。2017年よりU-18のGKコーチとして、育成に力を注いでいる。