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味方の選択肢を増やすパスコースの作り方と指導法/育成大国オランダで重視されるポジショニング指導

アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドで活躍したことで有名なロビン・ファン・ペルシー選手など、名だたる名プレイヤーを何人も輩出しているオランダのエクセルシオールというチームのアカデミーで過去に日本人の指導者が在籍していたことをご存知だろうか。

その名も小坂献さんだ。

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立命館大学卒業後、イングランドでイングランドサッカー協会公認コーチングライセンスLevel1、Level2やUEFA Bライセンスなどを小坂さんは取得。帰国後、SCH.FC、京都紫光サッカークラブ、柏原クラブでなどのチームを指導した。その後オランダに渡り、SBVエクセルシオールのU-19で2年間指導経験を積む。現在は藤枝明誠高校の下部組織である藤枝明誠スポーツクラブのU-13の監督を務めている指導者だ。

そんな国内外での指導経験が豊富な小坂さんが、オランダ仕込みのポゼッションサッカーを静岡の中学生を相手にどのように落とし込もうとしているのか。COACH UNITED ACADEMYでは、その神髄に迫った。(取材・文:内藤秀明)

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オランダでポジショニングを重視する

そもそもだが、オランダは平均身長184cmもある「世界で最も身長が大きい国」である。前述のファンペルシー選手は身長が188cmもあり、日本人感覚では「かなり大きい選手」にカテゴライズされる。ただオランダ国内の感覚でいうと平均より少し大きいくらいだ。だからこそ後にストライカーとして開花するものの、デビュー当初は2列目のテクニシャンというキャラクターだった。

そんなオランダの環境では、小柄な選手たちの才能は潰れていきそうなものだが、意外なことに中盤に小柄なタレントが育ってきた。その典型が少し前でいうと身長170cm程度しかなかったと言われているインテルなどで活躍したウェズレイ・スナイデル選手だろう。最近なら2019年夏にバルセロナ加入が決まっているアヤックスのフレンキー・デ・ヨング。あるいはデンマーク代表だがアヤックスユース出身であり現在はトッテナムで活躍するクリスティアン・エリクセンも同じくオランダが生んだクラッキだ。

彼らの身長は180cm前半と言われており、オランダ基準では大柄ではない。普通にプレーしていれば身長の高いオランダ人選手たちに潰されてしまう。ただオランダが志向する4-3-3をベースとしたポゼッションサッカーを志向する上で、クラッキのパスセンスは必要不可欠。だからこそ指導者たちは彼らに細かいポジショニングや、体の向き、ボールの置き所などを彼らに教え込んだのだ。

ただの鳥かごでも拘る味方を意識した位置取り

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では具体的にはどのようなトレーニングを行っているのか。

「オランダでは主に、『ウォームアップ⇒鳥かご(3対1や4対2のポゼッション)⇒ステップ⇒パスドリル⇒ポゼッション⇒ゲーム』の順番で練習が行われることが多いですね。なかでも鳥かごは、ポゼッションでゲームをコントロールするための全ての要素が詰まっています。だからこそオランダではトレーニングの初めに鳥かごをする事で理解度をチェックして、それに応じて基本的な内容を教える場として活用しています」

と小坂コーチは語る。中でも何度もコーチングしていたのが主に二つだった。

パスコースの角度を作ること

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まずは「パスコースの角度を作ること」だ。ボールホルダーが多くの選択肢を持つことができるように、パスの角度を作ることが受け手が必ず意識しなくてはならないポイントだ。

受け手が平行にならないこと

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もう一つが「受け手が平行にならないこと」だ。彼らがタッチラインやサイドラインに平行な位置取りをしてしまった場合、初手ではパスを通ったとしても、2手目、3手目以降で苦しくなってしまう。

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そのため常に「平行になるな」あるいは「段差をつけろ」とコーチングすることで、ポゼッションする上で正しい位置取りをする上での基礎を伝授していた。

その後、パスドリルや3対3+2のポゼッションゲームなどを行って、ポジショニングの細かい習得をサポートしていく。その詳細は動画で閲覧していただきたい。

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【講師】小坂献/
立命館大学卒業後イングランドでイングランドサッカー協会公認コーチングライセンスLevel1、Level2やUEFA Bライセンスなどを取得。帰国後、SCH.FC、京都紫光サッカークラブ、樫原クラブでなど指導。その後オランダに渡り、エクセルシオール・ロッテルダムのU-19で2年間指導経験を積む。現在は藤枝明誠高校の下部組織である藤枝明誠スポーツクラブのU-13の監督として指導を行っている。