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相手の逆をついてボールを回すスキルが身につく。ドリブルも取り入れた「とりかご」トレーニング

4年連続、全日本U-12サッカー選手権大会に出場しているリベロ津軽SCは、2020年の年末から年始にかけて行われた「第99回全国高校サッカー選手権大会」で準優勝を成し遂げた青森山田高校でキャプテンを務めた藤原優大選手を輩出した青森県の強豪チームだ。

COACH UNITED ACADEMYでは、住谷学監督によるリベロ津軽SCが実践しているウォーミングアップなどでも頭と技術を使えるトレーニングを前編では紹介した。ただもちろんだが、工夫しているのはウォーミングアップだけではない。その後の鳥かごなどのトレーニングでも、頭を使いながら技術も向上させる指導を心がけているようだ。そこで後編では実際に普段から行われているトレーニングを工夫と共に紹介していく。(文・内藤秀明)

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パスだけではなく、ドリブルも駆使する「3対1」

最初に紹介するのは「3対1」である。鳥かごのような陣形を組み、真ん中の1人からボールを奪われないよう外側の3人でボール回しを行う。ただ単純にパス交換をするのではなく、ドリブルを使って味方と場所を入れ替えながらボールを回していくのがポイントだ。

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住谷氏は「どうすれば相手の逆をついてボールを回すことができるのか?」を考えながらトレーニングをするように選手に指導を行っていく。

特に繰り返し言っていたのは、「2、3人でドリブルする意識を持とう」ということ。ドリブルをしている味方に対して周りが積極的に関わっていくことで、グループとして相手を操るよう促す指示だ。常に動き続けることで、ボールに直接的に絡んでいない3人目にもパスコースを作るなどのサポートを求めていた。

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実際にドリブルを仕掛ける際は、ボールの持ち方や置き所にも気を配る必要がある。相手と真正面で向き合うのを避け、できるだけ対峙する相手から遠い方の足でボールをコントロールすることが大切だ。足下のボールを動かしながら相手も動かしつつ、突破を試みる時には緩急を使うことで相手を振り切りやすくなる。

ドリブルの最中に「味方との連携がうまくいかなかった」あるいは「相手を抜ききれなかった」ということが起きた際は、ドリブルを途中で止め、アウトサイドを使って進行方向を変える動きを入れていくことも必要。

あくまでも、最初からゆっくりとドリブルをして相手から逃げるのではなく、相手に向かって仕掛ける意識を持ちながらドリブルをすることが大切である旨などを選手たちにわかりやすく指導していた。

人数が多いパス練習では「何をするか」「どこに蹴るか」を予め決めておく

続いて行うのは「6対2」。ドリブルが主体であった「3対1」とは異なり、素早いパス交換を基本に行われる。

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2タッチで行うパス回しでは、味方からボールを受ける前にまず周りを見ておくことが大切だ。「何をするか」「どこに蹴るか」を予め決めておかないと、相手との距離が詰まることで選択肢がなくなってしまう。相手との距離を保つためには、味方へ送るパススピードにも気を付けなければならない。パスが遅いと相手がボールに追いつきやすくなり、受け手の余裕がなくなってしまう。周りを見ながら素早く決断し、味方に速いパスを送ることが重要だ。

この後も同じ6対2でルールをやや変えながら様々な観点での指導を選手たちに行っていたが、練習自体はシンプルでも、「どうすれば相手を困らせれることができるのか」という観点で選手たちには学びが多かっただろう。「個人戦術を指導しなければならないが、何をどう伝えれば良いのかがわからない」という点で困っている指導者にとっては、伝えた内容から伝え方まで学びの多い指導だった。

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COACH UNITED ACADEMYでは、それらが全て映像として収録されているので、この機会にぜひ青森県のジュニアチャンピオンチームの頭と技術を鍛えるトレーニングの模様を確認してほしい。

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【講師】住谷学/
2009年より指導者を始め、2015年より全国大会の常連である青森の強豪チームのリベロ津軽SCでの指導を開始。2018年よりU-12監督、2019年より女子U-15監督を兼務。2020年よりアカデミーダイレクターも務める。