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ドリブル練習はミスが出る強度が大切。青森県のジュニアチャンピオンチームが行う足元の技術を高める練習法

青森県代表として、4年連続で「全日本 U-12サッカー選手権大会」に出場しているリベロ津軽SC。先日行われた青森県大会でも優勝を果たし、5年連続で全国大会の出場を決めた。OBには、青森山田高校出身の藤原優大選手(浦和レッズ→SC相模原)がいる。過去にも、アカデミーダイレクターの住谷学氏による「少人数&狭いスペースで足元の技術とプレーの判断力を早めるトレーニング」をお届けしたが、ユーザーから「参考になる」「わかりやすい」という声が多数届いた。

好評につき2回目となる今回のトレーニング。前編のテーマは「足元の技術を高めるリフティングとドリブルのトレーニング」。個の技術を高めるため、役立つメニューを実践してもらった。(文・鈴木智之)

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リフティングはバランスを崩さないように「頭の位置を変えない」

トレーニングを実施してくれたのは女子中学生の選手たちだが、住谷氏は「ジュニア年代でもできるトレーニングになっています」と説明し、リフティングからスタートした。

まずはボールを1人1個使ってリフティング。最初は両足を使い、フリーでリフティング。ここでは「ボールを地面に落としてもいいので、正確に真上にあげる。リズムよくやろう」と指示が飛んでいた。

次は右足インステップ2回、左足インステップ2回。続いて左右3回ずつ、インサイドを使うなど、短い時間で次々にすべきことが変わっていく。

その際に住谷氏が強調したのが、頭の位置を変えないこと。「バランスを崩さないように、頭の位置を変えない。頭が動くとバランスが崩れるよ」と、ボールを操るための、体の使い方に働きかけていく。

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「ボールを落とさないことより、真上にしっかりあげることを意識しよう。インサイド2回では、1回目のタッチでトラップし、2回目のタッチでキックするイメージでやってみよう」

続いてはリフティングをしながら、浮き球を胸トラップ。さらには2人1組になり、向かい合った状態で1つのボールをインステップで真上にあげる。その後、インサイドを使った浮き球のパス交換を実施し、相手とイメージを合わせながらボールを扱うことにフォーカスしていった。

次のプレーが決まっていると、速いプレーにつながる

ここからは「ボールストップ&スタート」を実施。選手がボールを各自持った状態で始め、グリッドの外にいる選手へパスを出し、リターンを受ける。戻ってきたボールを正確に止めて、2タッチ目を速く触ることを意識し、3m程度スピードアップ。この動きを繰り返す。

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ポイントは3つ。それが、蹴りやすい場所にボールを止めること。腰を落としてプレーすること。外にいる選手にパスを出す前に、周囲を見渡し、次のプレーの決断を素早く行うこと。動きの緩急を、相手がいない状態で体感していく。

住谷氏からは「いいキックが蹴られる場所を意識してボールを止めよう」「棒立ちではスピードが上がらないので、ボールを止めた後に腰を落として、スピードをアップさせよう」
「次のプレーが決まっていると、速いプレーにつながる。ボールを受ける前にどこに出せるか、周りを見て、次のプレーを速く決断しよう」といったアドバイスが送られていた。

ドリブルの練習はミスをするスピードでチャレンジする

続いては「ドリブル」のトレーニング。

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グリッドの端から端へ、小股で素早くボールに触りながら速いスピードでドリブルをする。その後、アウトサイドターンでそれぞれ左右に一回転して進んでいくなどのバリエーションが加えられた。

ここでは「視線は下げてもいいけど、あごを下げないように。あごが下がると前が見えなくなるよ」「ボールを触るときは、次の足を意識しながらやろう」「ゆっくりできて当たり前。速いスピード、ミスをしてしまうようなスピードでやろう」と積極的なチャレンジをうながしていった。

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さらには、相手選手をイメージした上で「相手にどこに行くかをわかられると、実際の試合ではボールを奪われやすくなる」と話し、「どこに行こうとしているかは、おへその向きでわかられてしまう。体の向きとボールの動きがばらばらになるように、自由にドリブルしよう」とポイントを伝えていく。

「スピード、あごの位置、全部つながっているよ。相手から遠いところにボールを置くイメージでやろう。急にストップしたりスピードアップしたり、工夫しながらやってみよう。練習ではたくさんミスをしたほうがいい。スピードをあげたり、変化を入れるとミスしやすくなる。ミスをしないということは、すでにできることをただやっていることになるよ」

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トレーニングを通じて、積極的にチャレンジすることの重要性を説いていた住谷氏。終了後、次のように述べた。

「今回は足元のトレーニングを中心に行いました。できることの繰り返しになると、学校の勉強でいうところの復習になるので、ミスを増やしながら、予習として考えるように、ミスは堂々としていいんだということを中心にコーチングしました。基礎的な内容が中心ですが、私はこういった基礎の練習が一番大切だと考えております」

後編では、足元の技術を生かした1対1や頭の回転を早くするボールポゼッションのトレーニングに移っていく。

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【講師】住谷学/
2009年より指導者を始め、2015年より全国大会の常連である青森の強豪チームのリベロ津軽SCでの指導を開始。2018年から2020年までU-12監督を務め、2019年からは女子U-15監督を兼務しながら、2020年よりアカデミーダイレクターも務める。