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技術はもちろん、自分で考えて判断ができる選手を育てる。横浜F・マリノスプライマリーの育成コンセプト

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、ベスト4に進んだ、横浜F・マリノスプライマリー。ラウンド16ではしのぎを削るライバル、柏レイソルU-12に勝利。準々決勝ではエクセレントフィートFCに逆転勝ちを収めました。

準決勝では、念願だったFCバルセロナと対戦。強豪相手に真っ向勝負を挑むなど、貴重な経験をしました。ラウンド16の試合後と準決勝の後、土井孝徳監督(以下、土井)と選手たちに話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一、高瀬波音也)

(※サカイクからの転載記事になります)

横浜F・マリノスプライマリーが実践する
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(準決勝ではバルセロナと対戦)(C)新井賢一

横浜F・マリノスプライマリーの育成コンセプトとは

――ラウンド16で柏レイソルU-12に勝ちました。試合の感想をお願いします。

土井 次のステージに進めたので良かったです。最近は守備をテーマにしていたので、相手の陣地でミスを誘ったり、ボールを奪ってチャンスに繋げる部分は良かったと思います。攻撃においてはもう少し、主導権を持ってやりたかったです。

――横浜F・マリノスプライマリーの育成コンセプトはどのようなものでしょうか?

土井 攻撃的かつ主体的に、トップチームが掲げている「アタッキングフットボール」に繋げられるような選手を育てていければと思っています。個人では技術的にいろんなことができて、自分で考えて判断ができる選手。そして特徴を持っている。このあたりがしっかりと備わって、次のステップに進んでいくことが大事だと思っています。

ワールドチャレンジは普段できない経験ができて、成長するきっかけになる

――U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは、世界にチャレンジする場です。どのようなモチベーションで臨んでいますか?

土井 この大会は11人制なので、6年生から中学生に近づいていく中で、8人制とは違う経験をすることができます。海外のチームも参加しているので、普段できないような経験ができて、選手にとって成長するきっかけにもなると思っています。

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(海外チームとの対戦など普段できない体験ができるのは成長のきっかけになると語ってくれた土井監督)(C)高瀬波音也

映像で見るだけでなく、バルサと直接対戦したからこそ分かったこと

土井監督には、準決勝終了後も話をうかがいました。

――FCバルセロナとの準決勝は大差(1-8)がつきました。試合の感想を聞かせてください。 

土井 相手はバルセロナでしたが、腰が引けるのではなく、ぶつかってみようということで挑みました。それがこの大会に出た意義でもあるかなと。その結果、選手たちはまだまだだなと痛感したと思います。そのような経験ができたことは良かったと思います。

――映像で見るバルセロナと、実際に試合をしたバルセロナでは、印象に違いはありましたか? 

土井 一人ひとりの上手さがありましたね。試合をしてみて、なかなかボールが取れませんでした。個の部分で落ち着いているし、余裕がある。我々は相手からボールを奪うことにパワーを使って、攻撃でパワー不足になってしまったところもあったと思います。

――改めて、ワールドチャレンジの意義について聞かせてください。

土井 バルサも準決勝の大きな舞台で一生懸命やってくれましたし、そういう中で選手は様々な経験ができました。それも大会に出場する狙いの一つだったので、すごく感謝しています。

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選手たちはどう感じたのか

ラウンド16の柏レイソル戦(3‐1)後、選手たちに話を聞きました。

インタビューを受けてくれたのは板東仁くん(10番)、山田湊斗くん(11番)、小川陽くん(4番)。

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(試合の感想を語ってくれた選手たち)(C)高瀬波音也

最後まであきらめない気持ちが大事

――試合の感想をお願いします。

板東 別の大会のリーグ戦で大差で負けた相手で、チームメイトが熱を出して出られなかったこともあって、その分も頑張りました。先制点を取れたのが良かったです。

山田 僕は2点決めることができたのですが、クロスのときに走り込むとか、こぼれ球に対して、最後まで諦めない気持ちが大事だと思いました。

小川 試合前にみんなで気持ちを高めて、全員で円陣をしたり、昨日の夜もホテルでミーティングをして準備は万全だったので、勝ててよかったです。

大会を通じてチームとして成長したと感じるところ

――チームの特徴、ストロングポイントはどんなところだと思いますか? 

板東 みんなが声出すところや、1対1で体を張ってプレーするところです。

山田 同点になっても先に失点せず、得点に繋げられるチームワークです。

小川 プロもやっているアタッキングフットボールです。攻撃をして、ボールを奪われてもすぐ取り返して、また攻撃するところです。

――今大会、成長していると感じるところは?

板東 暑い中でも走ってゴール前に顔を出したり、ピンチのときはみんなでカバーしてディフェンスをすることです。

山田 点を取ることです。先制した後に追いつかれちゃったけど、その後、逆転できたのは成長できたところだと思います。

小川 これまでは失点するとネガティブな感じになることもあったのですが、この大会では先制点を取って、追いつかれても冷静に、みんなで助け合って、話し合ったから逆転できたと思います。そこが成長できたところかなと思います。

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