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U8年代で楽しみながらサッカーの基本技術を磨くウォーミングアップ!対戦形式で子供のやる気を高める練習法

サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。

今回のテーマは「子どもが楽しみながらボール扱いを身につけるウォーミングアップ」。トレーニング前のウォーミングアップは、体だけでなく、心を準備する役割も果たしている。

一方で、子どもたちの集中力を保ちながら、それほど強度を出さずに、サッカーに必要な動作にアプローチすることに、苦戦するコーチも少なくない。

そのような悩みを解決するため、育成に携わって30年の信原正人コーチ(瀬戸FC)に、楽しみながら、サッカーの動きに効果的なウォーミングアップを実戦してもらった。

信原コーチはクラブでU-8のクラスを担当し、トレセンでは技術指導を行っている。ほかに、出張スクール、園児教室、部活指導、地域スポーツクラブなどに携わるベテラン指導者は、どのようなウォーミングアップで、子どもたちの心と体を準備していくのだろうか?(文・鈴木智之)

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楽しくサッカーの技術に触れる、やる気を高めるW-up

今回のトレーニングに臨むのは、U-8の子どもたち。彼らを対象に、まずは「どんどんシュートゲーム」を実施。ルールとしては、ドリブルでボールを運び、並び置かれたコーンをめがけてシュートを打ち、何本倒したかを競うというもの。

コーンを倒したら、相手チームのエリアにコーンを並べ、すべてなくした方が勝ちとなる。遊びの中でドリブル、キック技術が高められるトレーニングだ。

信原コーチは「動いているボールを蹴る技術、ボールコントロール、正確なシュートやパスが身につきます」と説明。

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「チーム対決にすることで盛り上がり、勝ちたい気持ちから、シュートが外れても、走ってボールを取りに行くなど、運動量が十分に確保できます。自然に仲間を応援したり、アドバイスをする声も出てくるので、体と心のウォーミングアップに最適なメニューです」

信原コーチの狙い通り、子どもたちは積極的にプレーに参加。競争形式なので、集中力も保たれていた。

「大事なのは、あくまでもウォーミングアップなので、細かな技術指導をしないこと。選手たちが夢中になれるよう、盛り上げ役になりながら、上手くいってない選手にどうすればいいかを考えさせたり、アドバイスをする程度にとどめましょう」

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信原コーチはプレーの切れ間を見計らい、「何が上手くいかなかった?」と問いかけ、次に活かすようにポイントを整理していた。子どもの意見に耳を傾け、尊重する姿勢は、ぜひ動画で確認してほしい。

次は「後ろからのパスを受けて、ファーストタッチで向きを変え、ドリブルしてシュートの動き」にトライ。徐々に、サッカーの動きに近づけていく。


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ここでは「パスを出す人ともらう人の息を合わせるのも大事だよ」「ボールを受ける前に、ステップが踏むことができているね」といった声かけで、わかりやすくポイントを提示していた。

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ゴールをつけることでより楽しく取り組めるシュート対決のW-up

続いてのトレーニングは「コーディネーションに働きかけるウォーミングアップ」をテーマに「じゃんけんシュート対決」を実施。

対戦する2名の選手がじゃんけんをして、勝った方が攻撃、負けた方が守備になる。ボールが2個あるので、攻撃側はどちらかのボールを選んでシュートを打つ。ゴールに決まれば攻撃側の勝ち、シュートをブロックすれば守備側の勝ちとなる。

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楽しみながら、集中力、判断、駆け引き、左右両足でのキックやブロックが身につくトレーニングだ。

信原コーチは子どもたちの様子を見ながら「急いで蹴るのも大事だけど、ボールをしっかり捉えないと、シュートは入らないよ」とアドバイス。

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慣れてきたところで「シュートを決めれば1ポイント、シュートブロックすれば2ポイント」に変更。その後、じゃんけんを手ではなく足で行い、ステップや全身運動に働きかけていく。

ここでは「試合のことを考えて、どんなフェイントが通用するかな」「なるべく時間をかけずにやるといいよ」など、考えさせるような声かけをしていた。

最後は「3秒位内にシュートを打つ」というルールにして、素早くシュートを打つように仕向けていった。

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以上で2つのトレーニングは終了。ウォーミングアップの内容もさることながら、信原コーチの声かけのトーンや雰囲気づくりなど、ベテランならではの振る舞いは必見だ。

終始フレンドリーな雰囲気で進んでいくトレーニングの全容は、ぜひ動画で確認していただければと思う。トレーニングの参考になること間違いなしだ。

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【講師】信原正人/
JFA 公認 B 級ライセンス/キッズリーダー資格
小学校部活動のパパコーチとして指導者の道を歩み始める。
その中で指導者が子供に与える影響の大きさ(良くも悪くも)を知り、勉強を重ねライセンスを取得し地元のクラブチームに転職し本格的にプロコーチとしてのキャリアをスタートする。クラブ指導だけでなく、出張スクール、園児教室、部活指導、地域スポーツクラブ、トレセン活動などおよそ16年間、広く育成の現場に関わり続ける。地元サッカー協会の技術部長として市町トレセンの運営から県のトレセン事業までサポートし指導の幅と質の向上に努めながら若い指導者への情報発信や勉強の場を設ける活動も行う。
現在は瀬戸市を代表するクラブ「瀬戸フットボールクラブ」のアカデミーとスクールの両コーチとして活動。
30年近くの育成現場での経験を活かした指導で多くの選手を育てながらも、今尚、より子供たちが成長できる指導を追い求め続けている。