02.10.2025
味方と繋がり、スペースを活用！ジュニア年代に必要不可欠な「ボールの出口を探す」トレーニング
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「ボールの出口を探すトレーニング～味方と繋がり、スペースを活用する」。ジュニア年代に必要不可欠な、ボールの出口を見つけるための感覚を養う方法について、ラポームサッカースクールの瀬尾大樹コーチによるトレーニングを紹介したい。
ボールの出口を見つけることは、攻撃時はもちろんのこと、ボールポゼッションを行う上でも重要だ。今回はサッカーの基礎となる、味方と繋がる意識を持たせることを目的に、ジュニア年代の選手を対象にトレーニングしていく。（文・鈴木智之）
基礎感覚を養う3対1のロンド
茨城県水戸市・つくば市を中心に活動するラポームサッカースクールで代表を務める瀬尾コーチは「このトレーニングは味方と繋がりを持つこと、相手を見ること、ポジショニング、スペースがどこにあるのかを認知することを意識してコーチングしていきます」と説明し、トレーニングに入っていった。
COACH UNITED ACADEMY動画、前編のテーマは「ボールの出口を見つけるための基礎感覚を養う」。最初のトレーニングは「3対1」を実施。6×6mのグリッド内で、3タッチ以内のボール回しを行う。鬼がボールに触るか、ボールがグリッドから出たら交代というルールだ。
瀬尾コーチは「遠い方の足でボールを止めよう」「相手が近いときはワンタッチ、遠いときは引きつけてからパスを出そう」とアドバイスを送る。さらに「鬼に前を塞がれていたら、キャンセルして3タッチ目でパスを出す。3タッチできるから、相手を見ながらやろう」と声をかけていった。
また、ボールを受ける選手に対しては「横でパスを受ける人は高さを調節する。近づいてもらうのか、離れてもらうのか」「これもボール保持者にプレッシャーがかかっているかいないかで判断しよう」とアドバイスを送っていた。
発展的な要素を加えて難易度アップ
トレーニングは徐々に発展し、グリッドの中央にコーンを設置。パスを6本回したら1点、さらに鬼とコーンの間を通せば2点というルールを追加した。
瀬尾コーチは、鬼とコーンの間にパスを狙う際は、味方とつながることの重要性を指摘。ボールを持っていない2人が連携し、パスの出し手と受け手の関係を作ることの大切さを伝えていく。
さらに「2タッチ以内」「グリッドの中に入ってボールを受けても良い」とルールを変更し、難易度を上げていった。
味方とつながることが重要
続くトレーニングは「2対2＋1フリーマン」。14m×16mのグリッドで実施し、ボールを奪われたら攻守が切り替わる形式だ。タッチ制限はなし。瀬尾コーチは「どこにスペースがある？」という声かけで、広いスペースの活用を促していく。
加えて、瀬尾コーチは「三角形を作り、ボール保持者のプレーエリアが狭くならないように広がる」と説明。「ボールを持っていない2人がつながろう」というコーチングにより、良いプレーが出始める様子はぜひ「COACH UNITED ACADEMY」の動画で確認してほしい。
また「ボールを持っている選手はDF2人に向かってドリブルで運び、食いつかせておいて、フリーの味方にパスを出す」というプレーを説明。これにより、味方に時間と空間を与えることができる。基礎的なことだが、ジュニア年代で身につけておきたいプレーだ。
ほかに「プレッシャーを受けない位置でボールを受ける」「自分の背後のスペースを認識する」などのアドバイスを、実演を交えながら展開していった。
瀬尾コーチは前編のトレーニングを振り返り、「トレーニングの中でボールと自分だけの関係にならず、味方とつながること。ポジショニングに気をつけることをコーチングしました」と総括。
後編では、前編で確認した基礎的な要素を、より実戦的な場面で実行できるトレーニングを展開していく。
【講師】瀬尾大樹／
3歳からサッカーを始め高校卒業後、社会人チームなどを経て茨城県で指導者をスタートし、今年で指導歴15年。これまで幼児から社会人の指導に携わり、2023年にラポームサッカースクールを設立。現在はラポームサッカースクール代表の他、外部指導でジュニアユース監督、トレセンチーフコーチなども務める。日本サッカー協会公認A級ジェネラルライセンス、キッズリーダー、キッズコーチングアドバイザー、タニラダーC級ライセンス保持。
取材・文 鈴木智之
