06.23.2025
攻守の対人スキルを磨く! 1対1のクルクルターンと守備のアタックスキル向上トレーニング
サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。
今回のテーマは「1対1における攻守両面でのスキル向上」。育成年代において「デュエル」を通じた1対1の能力向上は、将来を見据える上で欠かすことができないものだ。
そこで、埼玉県を中心に活動する対人式スクール代表の細井貴仁コーチによるトレーニングを紹介したい。
前編では「ボールを奪われないクルクルターン」と「自らボールを奪いに行く、守備のアタック」を習得するトレーニングを行っていく。
対人式スクールでは、どのようなアドバイス、トレーニングをもとに、相手の矢印の反対を取る技術、体を使った積極的な守備を身につけていくのだろうか?(文・鈴木智之)
ボールを相手から隠す
COACH UNITED ACADEMY動画、前編のテーマは「1対1を身につけるクルクルターンとボールを奪うためのアタック」。ウォーミングアップでは「1対1の鬼ごっこ」を実施。
2人1組で攻撃側は片足でボール、片手でボールを持ち、歩いて行う。守備側は歩きながら、どちらかのボールを手で叩くか、足で触ることを目標とする。
この際、攻撃側は「手のボールは外側」「足は内側」でボールを持つようにし、常に相手を見る」ことが重要となる。
細井コーチは「足のボールと手のボール、両方を相手から隠そう」とアドバイス。「右手でボールを持っている時は左足でボールを触る、左手で持っている時は右足で触る」という基本原則を指導。加えて、手のボールを触らせないように、相手から隠しながらプレーすることの重要性を伝えていった。

体を開いて回転する基本動作
続いて細井コーチは「体の開き」について説明。「右手を上げて、右手を動かすと体は開く。この状態のまま相手が左側から来たら、右手を開いて移動する」と、体の連動性を活用したターンの原理を指導。
進行方向へ手を広げると体がついてくるので、進行方向の手にボールを持つようにと、デモンストレーションを交えてアドバイスしていく。
ここでは「(ボールを持つ)手を変えてみよう」「胸を開いてみよう」「進みたい方向を見て」といったコーチングで、ポイントを意識付けしていた。
さらに、クルクルターンのポイントである「相手から近い足でボールを持つということは、回ったら必然的に遠い足になる。最初から遠い足で持つと怖くない」と、ボールを持つ足の使い分けについて言及。このあたりの詳細は「COACH UNITED ACADEMY」の動画で確認してほしい。
肩甲骨の後ろから動く守備
2つ目のトレーニングでは「1対1+1」を通じて、状況に応じた突破とクルクルターンの使い分けを学んでいく。ここでは攻撃時の「おへその向き」「ターンの仕方」といったポイントを指導していた。
続く3つ目のトレーニングでは「肩入れ」を行い、守備における「アタック」の技術を身につけていく。細井コーチは「守備は足からいきますか、体のどこからいきますか?」と問いかけ、「肩甲骨の後ろから動く」ことの重要性を説明。
「片足立ち、大股では動きづらい」と話し、「体を前に倒すと、勝手に足が出てくる」として、「1、2、3のタイミングで肩を入れる練習」を通じて、得意な方の肩を相手とボールの間に入れる技術を身につけていく。
水平な目線を保つ重要性
最後に細井コーチは、守備時の「目線」について「どんな状態でも水平がいい。頭の位置が下がるのは良くない」として、「相手が来ても、良い姿勢のままターンしたい」とアドバイス。
「ボールを奪った時の目線が高いと、後のプレーがスムーズにできる。理想は頭が水平な状態でターンすること」として、ターンした後のプレーを見据えた指導を行っていた。
以上で前編のトレーニングは終了。
細井コーチは「クルクルターンのポイントは、相手の近い足でボールを持つこと、そして一周回りきること。途中でターンをキャンセルすることも大事になります。アタックでは、自分からボールを奪うために、上半身から動かすことがポイントです」と総括した。
後編では、1対2のトレーニングをメインに、より複雑な状況下での個人技術の応用について指導していく。
【講師】細井貴仁/
埼玉県出身。山村国際高校サッカー部監督に21歳で就任し、指導者のキャリアをスタート。大阪のジュニア、ジュニアユースコーチで1年間、その後活動拠点を埼玉に移し、対人式スクールを開設、現在はジュニアチームFK JADRAN監督、対人式スクール代表として12会場を開校している。また【モンテネグロ】と【日本】の国際交流にも力を入れ、小学生の年代から世界を見る活動【世界に友達をつくる】【国際交流試合:シンエナジーカップ】を開催。
取材・文 鈴木智之