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チームビルディングを成功に導く4つの下ごしらえ

 北欧フィンランドで生まれたチームビルディングに有効な手法、リチーミングについてはこれまで何度か取り上げてきました。

■問題は追及しない! 北欧発『リチーミング』に学ぶチーム強化
http://coachunited.jp/column/000022.html
■問題点はひとまず棚上げせよ! チームを強くする12のステップ
http://coachunited.jp/column/000076.html

 コラムの中では、リチーミングの概要、具体的な手順までご紹介してきましたが、リチーミングに限らず、チーム強化、チームワークの改善に取り組む際に注意しなければならないことがいくつかあります。

 今日はチーム力を強化するための前段階、強いチームを作る"下ごしらえ"について企業の業績改善、スポーツチームへの指導経験も豊富なランスタッド株式会社EAP総研の川西由美子所長に教えていただきます。なお、川西所長の講座はCOACH UNITED ACADEMYでも配信中です(2014年4月10日現在)。(取材・文 大塚一樹)

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■チームビルディングの成功には下ごしらえが必要!

 サッカー指導者のみなさんもチームワークやチーム力、コミュニケーション力を高めるために、さまざまな方法を勉強し、実践していると思います。  私はたまたまリチーミングに出会い、その成り立ちや個とグループを同時に高めてくれる手法、いまいるメンバーを引っ張り上げてくれる効果を実感し、リチーミングを用いてチームビルディングを行っています。

 リチーミングについては、過去のコラムやオンラインセミナーで詳しくお話ししていますのでそちらも併せて参照いただければと思います。

 今回お話しするのは、チームビルディングを行う際の前工程、レシピで言えば下ごしらえの部分です。どんなに優れた手法を用いても、事前の準備が整っていなければうまく行くことはあり得ません。いろいろな方法を試しているのにうまく行かない! という人は、この下ごしらえがうまくできていないのかもしれません。

■下ごしらえ その1 ガス抜き

 解決志向のリチーミングはもちろん、ほとんどのチームビルディングの手法、またはブレインストーミングやミーティングの席ではネガティブ発言はNGです。しかし、うまく行っていない組織、チームというものは、何かしらのストレスを抱えているものです。それらに目をつぶって良いことだけを引き出すのは無理がある。ということで下ごしらえの最初はお互いにいま抱えている問題をはき出す"ガス抜き"の時間を設けることです。もちろん個人への攻撃や糾弾は禁止です。

 製造の現場では不具合に対して5Mという観点でチェックを行います。人の技術力をあらわすMan、機械のMachine、材料のMaterial、やり方をあらわすMethod、計測のMeasurement。相手が機械の場合はこの5つの変化を追求し、対処すれば改善できるのですが、チームワークを高めることを目的にする場合はここに人間の心が複雑に絡んできます。いまはまだ難しく考える必要はありませんが、チームを作る初期段階では、まずお互いに問題点を挙げることでガス抜きができればいいのです。

■下ごしらえ その2 問題視しているもののベクトルを確認する

 こうありたい、こうなりたいという方向性は、チーム力を高める上でとても重要なファクターです。リチーミングの場合は、グループワークを行っていく上でこの方向性がどんどん収斂されていき、最終的にはチームの目標=自分の目標になっていきます。この段階ではそこまで到達することは難しいので、チームの構成員が何を問題にしているか? 問題の共通項は何か? を見つけたり、どこから取り掛かるのが得策かを話し合ったりします。不思議なことに、問題点がバラバラなまま改善に着手してしまうと、取り組む人の心までもがバラバラになってしまうのです。

■下ごしらえ その3 悪化のシナリオを考える

 これも少し変わった方法かもしれません。その1で挙げた問題点をそのまま放置して進んだ場合、私たちチームはどうなってしまうのか? サッカーならば大事な試合のときにチームがひとつにまとまらず、勝敗を分けるような場面でその差が出てしまう。そもそもこのチームでサッカーをすることが楽しくなくなる......。

 チーム強化の前に、何もせずこのまま進んだらどうなるかを想像力を働かせて考えることで「このままじゃいけない」「改善しなければ」という気持ちが出てきます。ガス抜きの段階でここぞとばかり嬉々として問題点を挙げ連ねる人もいますが、その先のシナリオを想像すると言いっぱなしのストレス発散、あースッキリした! というわけにはいきません。

■下ごしらえ その4 "自分ごと"に落とし込む

 ガス抜き、ベクトルの確認、悪化のシナリオの想像を経て、チームには問題意識が芽生えはじめています。このときに重要なことが、さまざまな問題や目指すべき方向を"自分ごと"として受け止めることです。チーム力強化がうまく行かないケースの多くは、そもそもその目的は"チーム"のものであって、自分のものではない。誰かが言ったかもしれないけど、私は言っていない。こうしたボタンの掛け違えが頻繁に起こります。

 たとえ同じ言葉であっても通じ合うことのない、まったく意味のない目標。これでは、チームワークが生まれるはずもありません。同じように、上から与えられた目標、誰かに命じられたことにもチームをまとめる力がないことは明らかです。

 4つの下ごしらえを通して、チーム全員が問題を自分のこととして受け止め、改善の必要性を実感することは、チームワークの土台作りに必要不可欠なマインドです。チームワークやチーム力がその力を発揮するメカニズムは、チームに所属する全員が共通言語を持ち、エネルギーの方向が一致して、同じ目標、同じゴールに向かうことで構築されるのです。

 ここからリチーミングに取り組めば個人のがんばりがチームの成果に直結し、チームの目標が意味や価値を持ち、チームに所属すること自体が楽しい、そこで交わされる会話すべてに意味がある状態になっていきます。

 これまでチームワークの醸成、チームビルディングに取り組んでもうまく行かなかったチームや組織のみなさんはぜひ、この下ごしらえを念入りに行ってからもう一度チャレンジしてみてください。

 下ごしらえがすんだら、次はいよいよ本格的なチームビルディング。リチーミングについてより詳しく学びたい方は、COACH UNITED ACADEMY http://coachunited.jp/academy/をご覧ください。
 

川西由美子(かわにし・ゆみこ)
リチーミングコーチ、キッズスキルアンバサダー。リチーミングコーチを養成する日本で唯一のトレーニング機関であるランスタッド株式会社EAP総研の所長を務める。多くのリチーミングコーチを育成し、日本での普及に努める。自身も数多くのアスリート、企業所属のスポーツチームをサポートした経験を持つ。

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