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育成は18歳で終わらない!U-19年代からの『仕上げの育成』が必要なこれだけの理由

2016年1月はリオ五輪の出場権(アジア3枠)を賭けたAFC U-23選手権・カタール2016が開催されるが、現在の日本サッカー界において最も深刻な問題は、4大会連続でU-20W杯出場権を逃しているU-19日本代表に象徴される「19歳以降の仕上げの育成」の欠如だろう。『ラスト・ゴールデンエイジ』という言葉で長年、18歳で完結する日本の育成システムに警鐘を鳴らし続けてきた福岡大学サッカー部監督の乾眞寛氏は、自身が担当するゼミの研究を通じて日本の育成課題を浮き彫りにするデータを数多く抽出している。1月前半のCOACH UNITED ACADEMY前編では、本邦初公開となるU-19日本代表のAFC U-19選手権・過去5大会のデータを用いながら、日本サッカーの育成課題について解説いただいた。(取材・文/小澤一郎)

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■U-19年代の日本代表は「アジア4位」という現実

まず乾氏が、AFC U-19選手権に4大会連続で予選敗退しているU-19年代について、日本のアジアでの立ち位置を確認するために用いたデータが、過去5大会の大会獲得ポイント(※独自計算式による)におけるアジア各国のポイント数と順位表だ。U-20W杯出場権を獲得した2006年大会の日本は23ポイントを獲得しているが、過去5大会の総獲得ポイントで順位を付けると、アジアのU-19年代で実は北朝鮮が一番多くのポイントを挙げていることが明らかとなった。乾監督はこのデータを用いて次のように説明する。
 
「あまりよく知られていない部分ですが、近年のU-19北朝鮮代表は実力を上げているし、結果も残しています。以下、韓国(2位)、オーストラリア(3位)と続き、日本はこの世代の実績でアジア4位に位置します。さらに、日本のすぐ下に位置するウズベキスタン、UAEとの差は僅差です。つまり、この年代の中で日本は決して『アジアのチャンピオンではない』ということを改めて認識する必要があります。また近年、アジアでの得点数は低下し、失点数が増加しているのも事実です」

日本国内でもすでに、4大会連続でU-20W杯出場権を逃している事実は「日本サッカーの育成危機」として強くアナウンスされているが、数字として客観性を持たせたリアルなデータはおそらく本邦初公開だろう。乾監督が指摘した点に加え、2014年のAFC U-19選手権ではカタールが初優勝を遂げ、2004年から立ち上がった国家的プロジェクトの『アスパイア・アカデミー』の成果も出始めている。乾監督も「これから伸びてくるであろうウズベキスタン、UAE、イラク、サウジアラビア、カタールといった国はユース年代の育成に非常に大きな力を注いでいますから、日本がこの年代でアジアの中で勝つことはかなり難しい状況になってきていますし、この年代の問題を解決しない限り、将来のA代表、五輪代表にも必ず影響が出てきます」と述べる。

■U-19年代が伸び悩む日本サッカーの構造的課題

続いて乾氏が示したのは、過去5大会のAFC U-19選手権に出場したU-19日本代選手の通算代表歴データだ。2006年大会でアジア予選を勝ち抜いたU-19日本代表は、翌年カナダで開催されたU-20W杯(カナダ大会)でベスト8に進出しているが、その後五輪代表に3名、A代表に9名、W杯出場メンバーに3名を輩出している。しかし2008年のAFC U-19選手権以降4大会のU-19日本代表からは、五輪代表~A代表まで上り詰める選手の数が年々低下している事実が明らかとなっており、乾氏も「U-19代表をステップとして次のステージへ十分に力を伸ばしきれていません。特に、この年代の選手たちはJリーグでの出場機会(平均400~500分程度)が十分に得られておらず、その後のゲームにおける実戦力が思うように伸びていません。ここが日本サッカー界の構造的な問題点となっています」と説明する。
 
ちなみにこのデータでは、「2006年大会の選手たちがU-19日本代表より前のU-16・U-17日本代表に選ばれていた割合が少ない」という興味深い事実も明らかにされた。ある意味で日本の育成課題を如実に表わしたデータの数々は、日本サッカーに関わりを持つ誰もが耳の痛い内容だが、乾監督は次のようにまとめる。

「18歳で育成が終わるわけではありません。大切なのは19歳から本物のプロ選手として戦える力を付けるための『ラスト・ゴールデンエイジ(L・G・A)』、最後の『仕上げの育成』です。今回の研究データからも、本当の意味でプロや代表、インターナショナルで活躍する選手は19歳以降の伸びが大事だということがはっきりとわかってきました。そのことも含めて、U-19の日本代表が4大会、約10年間、勝てていないという事実をもっともっと重く受け止めなければなりません」

育成年代の現状と課題について認識が改まる貴重なデータの数々は、COACH UNITED ACADEMYのセミナー本編でぜひ詳細にご覧いただきたい。

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乾眞寛(いぬい・まさひろ)
1960年3月22日生まれ。島根県出身。筑波大学大学院卒。現福岡大学スポーツ科学部教授、福岡大学サッカー部監督、日本サッカー協会公認S級コーチ、(一財)全日本大学サッカー連盟技術委員長。2005年のユニバーシアード・イズミル大会では、日本代表監督として世界一(3連覇)を達成。福岡大での32年以上の指導の中で56名のJリーガー、永井謙佑(名古屋)ら5名の日本代表選手を輩出している。

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