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1日5分でメンタルに効果。子どもたちの指導にヨガを取り入れるメリット

昨今、トレーニングにヨガを取り入れるアスリートが増えてきている。サッカー界では10年以上前に、ライアン・ギグスが取り入れたことで話題になり、ドイツ代表はブラジルワールドカップにヨガのインストラクターを帯同させていた。日本でも長友佑都選手を始め、多くのJリーガーがパーソナルトレーナーと契約し、日々のトレーニングに取り入れている。

「アスリート×ヨガ」はサッカー以外にも広がりを見せており、バスケットボールやアメリカンフットボール、ラグビー、相撲、野球のトップレベルの選手が取り入れていることでも有名だ。

サッカーの育成年代において、まだヨガの導入はそれほど見られてはいないが、日本のアシュタンガヨガの第一人者であり、日本を代表するヨガインストラクターのケン・ハラクマ氏は「子どもたちにも、ヨガは取り入れやすいもの」と語る。(取材・文/鈴木智之、協力/一般社団法人アスリートヨガ事務局)

サッカー界でブーム!トレーニング効果を増幅させる"ヨガ"の導入>>

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■ウォーミングアップに取り入れられるヨガ

「ヨガには、自分の内面と向き合って、心を落ち着かせる効果があります。サッカーをする子どもの場合、練習前に集まって5分でもいいので、座って静かにするというプログラムが有効です。心を落ち着かせて自分と向き合い、練習にとりかかるという一連の動きをルーティン化することで、メンタル面の安定に効果が見込めます。まずは自分と向き合い、次にチーム全員で同じ動作をすることで、チームとしての一体感を高めるプログラムにも応用可能です」

ヨガには様々なポーズがあるが、ウォーミングアップの一環として『逆立ち』をすると、多くの効果があるという。

「練習前に2人1組になり、逆立ちをすることで、内臓の位置がリセットされて消化機能が改善されます。そうなると代謝が良くなり熱が発生するので、ウォーミングアップとして、身体を温めることにもなりますよね。逆立ちは、デスクワークが多い大人にも効果的で、女性には便秘の解消にもなります」

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■交感神経と副交感神経の両方を優位にする

ヨガは筋力やバランスといったフィジカル面だけでなく、脳をはじめとする内面にも大きな影響をもたらす。日本のヨガの第一人者であるケン・ハラクマ氏は「メンタル面の落ち着きに関するノウハウは、ヨガの中にあります」と語り、どうやって脳を落ちつかせて体の疲れをとり、心身を休ませるか。交感神経と副交感神経の両方を優位にさせるといった部分にも働きかけることができるという。

サッカー選手に限らず、多くのスポーツ選手は試合などの本番で、いかに心を落ち着けて、実力を発揮できるかが重要になる。調子のよい選手が、ゴール前のプレッシャーがかかる場面で、「ボールや味方の動きがスローで見えて、シュートを打つ前に決まることがわかった」と話すことも多いが、このような状況に心理面を持っていくことができれば、プレーの成功率は格段に上がるだろう。

「ヨガには"瞑想"というリラックス方法があり、これは意識を覚醒させて、物事に対して敏感になる状態を作る手段のひとつです。アスリートの場合、試合中にその状態になることができたら、すごく良いですよね。交感神経と副交感神経を刺激して、それをじっくり観察できる自分を作るのが、ヨガの楽しいところです。そのために意識を内側に向け、五感以外の感覚を磨いて敏感にしていきます」

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■選手の潜在能力を引き出す

スポーツ選手だけでなく、多くの人々にとっても自分と向き合うことは、成長する上で欠かすことができないものだ。なかでも、監督やコーチ、チームメイト、対戦相手、ライバルなどの外的要因が、心理面に大きな影響をおよぼすアスリートは意識を外に向けがちで、自分の内面と向き合うことが苦手な選手もいる。

「アスリートに限らず、人間誰しもそうなのですが、意識を外に向けるのではなく、自分の内側に向けると、自分の欠点や良いところを認められるようになるんですね。欠点や弱点を認めて、コーチやトレーナーとともに改善していく取り組みができれば、パフォーマンスはアップします。大切なのは、まずは自分を知ること。考え方の癖や固定観念を取り払うことができれば、新しい可能性を引き出すことができます。それがポテンシャルや潜在能力をアップさせることにつながります。もともと人間に備わった能力をどうやって引き出すか。それは、ヨガの世界では当たり前のように説明されていますし、我々はヨガの考えをアスリートに応用するために、スポーツの目的にあったカリキュラムを組むことができればと考えています」

ケン・ハラクマ氏は2015年にアスリートヨガ事務局を立ち上げ、アスリートのパフォーマンスをアップさせるためのプログラム作りや、指導者養成に取り組んでいる。コーチユナイテッドでは『アスリート×ヨガ』の取り組みを継続的にレポートする予定だ。興味のある指導者、選手は引き続きチェックしてほしい。


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