TOP > コラム > G.Wは復習しよう! バイエルンも実践する戦術「エントレ・リネアス」

G.Wは復習しよう! バイエルンも実践する戦術「エントレ・リネアス」

  COACH UNITED編集部です。引き続き、ゴールデンウィーク特別企画としてこれまでの振り返り記事をアップさせていただきます。
 
 本日は【バイエルンも実践! フットサル戦術「エントレ・リネアス」とは?】【育成年代にも必要! バウミール氏が語るフィジカルトレーニング】【フットサルの基本は守備。バウミール氏が語るコーチング】以上の3本をお届け! サッカーがフットサルから学べる知見は、まだまだ奥深いものがあります。これらの記事を復習し、参考にしていただければ幸いです。

■バイエルンも実践! フットサル戦術「エントレ・リネアス」とは?

suzuki3_580.JPG

(写真提供:鈴木隆二 取材・文:小澤一郎)

■「ライン間」とは、横だけではない
「エントレ・リネアス(Entre Lineas)」というスペイン語は直訳すると「ラインの間」で、鈴木さんによると、「エントレ・リネアスというのは相手ディフェンスのライン間に侵入していく動きのことを指します。ディフェンスのライン間というのは横のラインだけではなく、縦のラインも含みます」とのこと。

 例えば、バルセロナのセスクが左インサイドハーフに入り、相手が4-2-3-1のシステムを採って守備ブロックを構築してくると、彼は右CB、右SB、右ボランチ、右サイドハーフで形成される四角形の真ん中にポジションを取ることが多くなります。

 逆に、ブスケッツ、シャビは中盤でも低めのポジションを取る選手なので、1トップとトップ下のライン間、トップ下と両サイドハーフのライン間にポジションを取ってピケ、マスチェラーノといったCBからビルドアップのパスを受けることが多くなります。
 
 バルサの各選手がエントレ・リネアスのポジショニングを取ることで相手はライン間のパスコースを閉じるかどうかの決断に迫られることになります。しかし、パスコースを閉じるポジションを取ると当然バルサの別の選手へのパスコースを空けることになるため、安易にその決断を下すことができず、迷いと同時に時間と空間が生じます。この観点でバルセロナの試合を見れば、セスクやイニエスタの効果的なエントレ・リネアスによってバルサの左ウイングや左SBがフリーでパスを受けていることに気づくはずです。

https://coachunited.jp/column/000049.html


■育成年代にも必要! バウミール氏が語るフィジカルトレーニング

zenpen1.jpg

(写真:新井賢一 取材・文:北健一郎)

「フットサル=ディフェンス+フィジカル」

 1月9日、埼玉県内で行われたブラジル人コーチ、バウミール氏によるフットサル指導者講習会。その冒頭で、バウミール氏は自らの考える"フットサルの方程式"をホワイトボードに書いた。

「『フットサル』というと、みんながパスやドリブルをイメージします。しかし、本当に大事なのはディフェンスとフィジカル。この2つをしっかりと鍛えていけば、良い選手になれるのです。今回の講習会ではその2つを重点的に行っていきます」

 バウミール氏はフィジカルコーチからキャリアを始め、GKコーチとしても働き、クラブチームの監督も務めた人物だ。今回はサンパウロ州の指導者ライセンスを日本国内で取得できる「ブラジル・サンパウロ州フットサル連盟指導者講習会」のインストラクターとして来日した。

 過去にも何度か日本を訪れ、それ以来「日本のフットサルを常にチェックしている」というバウミール氏は、日本の、特に育成年代に足りないものをこう分析していた。

https://coachunited.jp/column/000025.html


■フットサルの基本は守備。バウミール氏が語るコーチング

kouhen4.jpg

(写真:新井賢一 取材・文:北健一郎)

 フットサルと言えば、足の裏を使った細かいドリブルや、トリッキーなパスをイメージする人が多いだろう。だが、バウミール氏はこのように言う。「フットサルで最も大事なのはディフェンスだ」と。

 ブラジルはロナウジーニョ、ネイマール、ロビーニョなどフットサル出身のテクニシャンを多数輩出している。それなのに、バウミール氏が「ディフェンス」を強調するのはなぜなのだろうか?

「育成年代でフットサルをやることは、守備の原理原則を学ぶのに最適だからです。サッカーに比べて、フットサルは人数が少なく、一人ひとりの責任が明確になります。それによって、しっかりとしたディフェンスの技術を身につけられるのです」

 実際に講習会の後半はディフェンスに重点が置かれた。まずはフィクソ(サッカーのDF)が相手のピヴォ(サッカーのFW)をマークするときのやり方から。バウミール氏がフィクソ役となってレクチャーする。

「最初からピヴォの後ろにつくのではなく、前に入ってインタセプトを狙います。そのとき大事なのは手でピヴォに触って常にどこにいるかを感じること。マークを見るために首を振ると、そのタイミングではボールを見失ってしまいます」

https://coachunited.jp/column/000041.html

<了>