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サポートの動きを使い素早くシュート場面を作る方法/オオタFCのアタッキングサードを攻略するトレーニング

「楽しく、うまく、そして強く!」をテーマに攻撃的なサッカーを展開するのが、岡山県倉敷市を中心に活動するオオタFCだ。昨年度の「JFA第43回全日本U-12サッカー選手権大会」でベスト8進出を果たしたチームは、どのように個人技術を伸ばしているのか。「アタッキングサードの個の仕掛けと積極的サポート」というテーマで行った指導の後編では、実戦的なグループでのトレーニングメニューを紹介する。(文・森田将義)

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仕掛けの判断基準は、ディフェンスにとって何が嫌なプレーなのか

前編では、相手にとって怖いポジショニングやタイミングでパスコースに入る「積極的サポート」を身につけるための六角形でのパス回しと2対2のミニゲームを紹介したが、後編の最初のトレーニングでは、グリッドを広げて、ショートカウンターをイメージした3対2のミニゲームを紹介する。

ディフェンスがドリブルを始めたら、メニューがスタート。カラーコーンの前でボールを止めて、オフェンスとスイッチすると攻撃に切り替わる。相手からボールを奪った状況を想定し、3対2の状況で素早くゴールを目指すのがルールだ。

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実際の試合では守備に戻ってくる選手もいるため、オフェンスが数的優位な状況を活かすためには、ボールを持ったらなるべく早くシュートまで持ち込みたい。そのためには、まず相手にとって嫌なプレーとは何なのかを考えなければいけない。数的不利なディフェンスは自陣に持ち込まれると失点のリスクが高まるため、なるべくゴールから離れた位置でボールを奪えるのが理想だ。

オフェンス目線で考えれば、ゴールから遠くクロスやパスが第一の選択肢になるサイドではなく、受けたらシュートまで持ち込みやすい中央にいるFWの選手に縦パスを入れるのがベストと言えるだろう。

オフェンスが相手ボールを奪ったタイミングで素早く縦パスを入れることができれば、相手はラインを下げざるを得なくなり、生まれたスペースを使ったスピーディーな攻撃ができる。縦パスを受けたFWの選手は、相手のマークが緩ければシュート。厳しければ、3人目の選手にパスを展開するが、ここでも相手にとって怖いプレーとは何かを考えるのが大事だ。

プレーの流れとして、3人目の選手はディフェンスから離れたサイドに張っていれば、フリーになりやすいがゴールから遠ざかっているため、選択肢からシュートが無くなってしまう。

手数をかけずに素早くシュートを打つためには、1本目の縦パスがFWの選手に入った時点で中央に走り込み、ポストプレーを受けてゴールを狙うのがベストと言えるだろう。

または、攻撃に切り替わったタイミングでFWの選手がオフサイドラインに気をつけながら、相手DFと駆け引きして背後のスペースへと飛び出せば、1本のパスでシュートまで持ち込める。ボールを失いたくないという気持ちが働き、選手は足元へのパスを選びがちだが、積極的に味方を走らせるスペースへのパスも選択すべきだ。

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FWの選手の動きに応じて、サポート役となる他の2人はどこに走り込むのか、どこにパスを出すべきか選択しなければいけない。状況に応じて正しい選択をするためには判断が必要になる。今井大悟ヘッドコーチの指導では、正解を押し付けるのではなく、初めは選手にメニューだけを提示。選手が自由な発想でプレーをする中、良いプレーが出た時に褒めることでプレーの判断に必要な考える力を養っている。積極性を引き出すポジティブな声掛けは動画を参考にして欲しい。

サポートに必要なのは場所とタイミング

次に行うのが、前後2つのエリアに分かれて行う3対3(セパレート)のミニゲームだ。後ろのエリアでは3対3で攻防を繰り広げるが、前のエリアにボールが入れば、オフェンスとディフェンスも1人ずつ加わり、4対4の状況でゴールを目指す。

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ディフェンスはなるべく高い位置でボールを奪い、シュートまで持ち込もうとするのに対し、オフェンスは3対2のミニゲームと同様に積極的に縦パスを活用して、前のエリアへと侵入したい。後ろのエリアで行う3対3のボール回しのサポート役として、前のエリアの選手が縦パスを受けられるポジションに入るのが第一のポイントだ。

同様に前のエリアに展開した際は、後ろのエリアにいるどのポジションの選手が飛び出せば攻撃の迫力が出るのか考えながらプレーすべきだ。例えば、前のエリアでサイドの選手が持てば、後ろのエリアの選手が追い越す動きを入ると相手は捕まえきれない。こうしたプレーは、ピッチの状況によって刻一刻と変わる。常に相手と味方の状況をチェックしながら、サポートに入るタイミングとコースを意識してプレーして欲しい。

3対3でサポートの意識が高まれば、最後はより実戦を想定した5対5(ルールセパレート)のミニゲームに移行する。各チームとも5人の配置は自由で、バランスと相手の状況を見ながら前後のエリアに何人が入るのか考えてプレー。自陣では2タッチ以下、相手エリアではパス禁止でドリブルとスイッチはOKというのがルールだ。

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パスが禁止された状況でシュートまで持ち込むには、フリーでボールを受けられる状況を作らなければいけない。FWの選手には相手と駆け引きをして、自陣からのスルーパスをDFの背後で受けるなどスペースを探すアクションが必要だ。万全の状況で受けられない場面ではボールを失わないよう手堅くキープし、サポートに入る選手を待ってからスイッチするのも手だ。周りの選手もFWが困りそうだと判断すれば、スイッチができるよう素早くサポートに走って欲しい。

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トレーニングの最後には通常の5対5のミニゲームを行い、これまでのメニューで高めた意識を自らの物にする。ゴールを奪うには個人技の上達と共に、「積極的サポート」は欠かせない。動画も参考にして、オオタFC流の指導法を参考にして欲しい。

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【講師】今井大悟/
福山大学を卒業後、 佐川急便大阪SC、カターレ富山、ブラウブリッツ秋田でプレー。2015年からOBであるオオタFCのU-11、12年代のトップチームのコーチを務めている。