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ミスをしても選手を前向きにさせるGKの指導方法/U-9~10年代にGKの重要性や基本技術を教えるトレーニング

サカイクGKクリニックで多くの子どもたちを指導し、GKの技術とともにGKの楽しさを教えてきた、澤村公康GKコーチ。昨年までサンフレッチェ広島のトップチームで指導し、大迫敬介選手の能力を開花させる手助けをしたことでも知られている。

日本屈指のGKコーチである澤村コーチのトレーニング紹介。後編では「ローリングダウンの習得とシュートストップのトレーニング」をお届けする。はたして、U-9、10というGKを始めたばかりの子たちにとって、どのようにコーチングをするのだろうか?(文・鈴木智之)

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ローリングダウンは一歩でボールに向かう意識を持って行う

動画後編では「ローリングダウン」のトレーニングから。ローリングダウンとは、地面に近いボールに対し、身体を投げ出してキャッチおよびセーブする技術である。

トレーニングの設定としては、2人1組で地面に置いてあるボール(2個)に対し、同じタイミングでぶつからないようにローリングダウンをし、キャッチするというもの。まずは基本動作を繰り返し行い、動きを身につけていく。

ここで澤村コーチが子どもたちに伝えたのが、「実際の試合を意識して、トレーニングすること」。当然のことながら、試合中、足元にボールが止まって置かれることはない。飛んできたボールや、転がってきたボールに対して、自分から向かっていき、ローリングダウンでセーブをする。

「試合を意識してやろう。(デモンストレーションをしたコーチの)足幅や構え、手の位置はどうなってる? ボールを自分から奪いに行く気持ちでプレーしよう」

子どもたちは、ローリングダウンという激しいアクションに対し、ひるまず立ち向かっていく。澤村コーチが「GKのトレーニングは、コーディネーショントレーニングにもなります」と言うように、全身を使ってアクションを起こし、キャッチして立ち上がるという動作は簡単にはいかない。

さらに澤村コーチは「ボールに対して、何歩で到達している?」と質問。「できるだけ速く、ボールを奪いに行きたいので、一歩でボールに向かっていこう。ボールに対してつま先を向けて、踏み込んで向かっていこう」とアドバイスを送る。するとプレースピードが上がり、ダイナミックな動きに変わっていった。

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GKに必要なメンタリティは「前向きな気持ちで奪いに行くこと」

澤村コーチは常々「GKは前向きなポジション」と言っている。ボールに対しても受け身ではなく、自分からアクションを起こし、前向きな気持ちで奪いに行く。それこそが、GKに必要なメンタリティだという。

「みんなに聞きたい。チームの攻撃がうまくいっていない時、GKからどんな言葉をかけられたらいい? 試合の流れが悪い時、GKから何を言われたら、やるぞという気持ちになるかな?」

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子どもたちから「最後までやろう!」「声を出していこう!」などの意見が出ると、「そうだね。前向きな言葉をかけるのはとても大事なこと。トレーニング中、自分のことで精一杯になるのはOK。でも自分のことプラス、仲間が良いプレーをしたら、何て言ってあげればいい? 『ナイスキーパー!』と褒められたら嬉しいよね。自分がされて嬉しいことは、どんどん仲間にもやってあげよう」と、GKとしての振る舞いも教えていった。

澤村コーチのトレーニングは明るい。コーチが率先して声を出し、些細なプレーでも大きな声で褒める。その裏側には、「普段、GKは自分のチームで、褒められることが少ないと思います。だからこそ、一緒にトレーニングするときは、子どもたちを褒めて、GKって楽しいなと感じてほしいんです」という澤村コーチの想いがある。

正面でシュートを止めることは良いポジショニングがとれている証拠

トレーニングの後半では、シュートストップの練習を行った。ここでは、シュートが飛んできそうな状況でのポジショニングや対応をレクチャー。コーチがデモンストレーションを見せ、澤村コーチが解説していく。

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「GKのポジショニングは、ボールとゴールの中心を結んだライン上が基本です。ゴールラインにGKがへばりついていると、キッカーは打ちやすくなる。自分のサイズ、技術で、この立ち位置でいいと決断しよう。ここで勝負するんだという気持ちが大事だよ」

さらに澤村コーチは「GKが正しいポジションをとって、良いプレーをしたらマイボールになり、試合の流れが変わる。GKはそれほど重要なポジションなんだ」と、GKというポジションの重要性を力説する。

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GKは必要以上にミスがクローズアップされてしまうポジションだが「もしミスをしたら、次のプレーに集中すればいい。いつまでもミスや失点を気にしないこと。次に向かっていくエネルギーが大事」と、切り替えの重要性を繰り返し説いていた。

トレーニングの最後には、GKのファインプレーにも言及。

「ダイビングなどの派手なセーブも良いプレーだけど、良い立ち位置で構えて、正面でボールを捕るのもファインプレーだよ。正しいポジショニングで、ピンチをしのいでマイボールにできたわけだからね」

動画では「せっかく手にボールを当てたのに、弾いたボールがゴールインしてしまう」現象にも言及し、そうならないためのセービングも伝授していた。詳細はぜひ動画で確認してほしい。

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【講師】澤村公康/
1971年、東京都大田区出身。三菱養和サッカークラブ、仙台大学を経て、指導の道に入る。熊本県立大津高校、浦和レッズアカデミー、JFAナショナルトレセンコーチ、川崎フロンターレアカデミー、浜松開誠館中学校・高等学校、ロアッソ熊本を経て、2019年シーズンはサンフレッチェ広島のGKコーチとして大迫敬介の才能を開花させた。2020年より拠点を東京に移し、GKスクールを立ち上げる他、大学チームの指導に当たっている。