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8人制より幅もスペースもある中でどうプレーすればいいか、2年連続準決勝進出のヴィッセル神戸が「ワーチャレ」で感じた課題

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、2年連続ベスト4に進出したヴィッセル神戸U-12。昨年度は準優勝、今大会は3位と好成績を残しました。

意図のあるボール保持から相手の守備を攻略し、ゴールを奪う姿は大会屈指の完成度でした。

昨年に続き、チームを率いる坪内秀介監督(以下、坪内)と選手にラウンド16(3-1)と準決勝(0-1)終了後、話を伺いました。(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一、高瀬波音也)

(※サカイクからの転載記事になります)

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(準決勝ではソレッソセレクトと対戦)(C)新井賢一

相手のどこの間を壊していくか、その判断が足りなかった

――SORISSO SELECTとの準決勝(0-1)では、相手のフィジカルや高さに手を焼いた印象を受けました。試合を振り返って、感想をお願いします。

坪内 攻撃が縦に早くなってしまいました。もっとボールを保持して、相手を横にずらして、ひとつずつラインを押し上げたかったのですが、相手の重心がかかっている方へスルーパスを出したりと、攻撃面で急ぎすぎてしまいました。

判断の部分で、狭いところに行くのではなく、方向転換してとか、立ち位置をとって、相手のどこの間を壊していくか。そのあたりを、前半からできればよかったです。

相手の守備が整っていない状況であれば、カウンターを仕掛けてもいいのですが、相手のブロックがしっかりしている状況でパスを差し込んでいたので、センターバックを引き出したりとか、相手の矢印を観てとか、もうちょっと相手を食いつかせてから攻撃したかったです。

「バルサと決勝で戦いたい」という想いから、高揚してしまった部分もあったと思います。そんな状況でも冷静に判断できるようにならないといけません。メンタル面も含めて、いい経験になりました。

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普段より幅もスペースもある中でどうプレーすればいいかが課題

――SORISSO SELECTの印象はいかがですか?

坪内 フィジカルで優位性を作られるのはしょうがないと思っていました。シンプルにボールを動かしてサイドの勝負、FWの質の勝負を挑んでくる中で、ある程度ピンチになる場面もあるだろうとは思っていました。その中で選手たちは気持ちを見せて、粘り強くやってくれたと思います。

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(今大会に出場しての収穫や今後の課題を語ってくれた坪内監督)(C)新井賢一

――昨年(準優勝)に続きベスト4に残り、フクダ電子アリーナに立ちました。大会を振り返って感想をお願いします。

坪内 有名なチームとたくさん試合ができましたし、来年から11人制に移行する中で、ヴィッセルとしてのやり方も含めた感覚がわかったのは良かったと思います。

普段より、幅も深さもスペースもある中で、どうプレーしていけばいいのか。フィニッシュゾーンでの引き出しが少なかったと感じているので、次につなげていきたいです。

いくらサッカーを頑張っても選手自身が身体のケアにおざなりでは上に行けない

――選手に話を聞くと、トレーナーさんがついてくれるおかげで、連戦の疲労感が少ないと言っていました。

坪内 それはすごく大事なところですよね。いくらサッカーを頑張っても、そこがおざなりになると意味がないですし(体のケアも)やっていかないと、上には行けないよと、日頃から言っています。

「お菓子やアイスを食べていて、プロになれるの? なれないよね。じゃあ止めないとね」って。12歳という入り口の段階で言わないと「なんであのときに言わなかったんだ」となってしまいますから。気づいたときには戻れないので、小学生だからこそ言わなくてはいけないと思っています。

選手たちはどう感じたのか

ラウンド16終了後(大和DREAMSに3-1で勝利)、選手たちにも話をうかがいました。

インタビューを受けてくれたのは石丸悠羽くん(10番キャプテン)、岡田隼輝くん(9番)、三崎屋史虎くん(7番)。

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(試合の感想を語ってくれた選手たち)(C)高瀬波音也

選手たちが大会を通じてチームとしてうまくいったと感じる部分

――大和DREAMSに3-1で勝利しましたが、試合の感想を聞かせてください。

石丸 チーム全体で守備にも攻撃にも参加して、ゴールに向かうことができていたと思います。

岡田 いい形で試合に入ることができて、うまく試合を進められたと思います。

三崎屋 みんなが一丸となって、しっかり戦えたことがよかったです。

――今大会、チームとしてうまくいっている部分は?

石丸 ボールを動かすところや、サイドチェンジをしてから縦パスを入れて、ゴールに向かうところです。チーム全体での攻撃、守備がうまくいっていると思います。

岡田 サイドで数的優位を作って、クロスを上げて点を決めることができているところです。

三崎屋 センターバックがしっかりボールを運んで、ウイングも幅をとって、サイドで1対1や2対1を作れているところです。

トップチームの憧れの選手

――目標にしている選手、好きな選手はいますか?

石丸 ヴィッセルでは齊藤未月選手、海外ではバルセロナのペドリ選手です。ドリブルもありながら、パスがうまくできるところが好きです。

岡田 古橋亨梧選手(現在セルティック所属)です。足元でボールをもらうだけでなく、相手の背後をとって裏抜けもできて、大事なところで点を取れるのがすごいと思います。

三崎屋 ヴィッセルでは汰木康也選手で、海外では三笘薫選手です。ドリブルで運ぶところや仕掛けのところ、無理だったらすぐ変えるという判断がすごいと思います。

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