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AFC U-19選手権・人物フィーチャー③中谷進之介

CB中谷進之介は、いま成長の過程にいる。かつて「アジアの壁」と称された偉大なるコーチの教えを受け、アジアの舞台から世界へと飛び立とうとしている。(取材・文・写真/安藤隆人)

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決勝トーナメント進出を決めたグループステージ第3戦。難敵・韓国撃破の立役者となったのが、CBの中谷進之介だ。ディフェンスリーダーとして的確な指示で最終ラインをコントロール。試合のポイントとなっていたサイドバック、ボランチとの連係は、流れを読んだコーチングで周りを動かし、自身も質の高いカバーリングを見せ韓国攻撃陣に対応した。

 個の守備でも、中谷のディフェンスがピンチを未然に防いだ。「(相手の)10番には絶対にやらせないつもりでいたけど、全体のバランスを見ながら冷静に対処した」と振り返ったように、韓国FWキム・ギョンヒをハードマークで封じ込めながらも、冷静に最終ラインを統率。23分には、同選手のドリブル突破に対して身体をうまく寄せて対応し、逆に相手のファウルを誘ってボールを奪い返した。28分には左サイドを突破されたところを素早い判断でカバーし、身体を寄せて相手の攻撃を阻止した。
 
「これまで後ろでボールを回すときの位置が低すぎた。最終ラインを上げて高い位置で回すことを意識した」(中谷)とボールを保持した際にはラインを上げてパスを回し、機を見ては前線のツートップ南野拓実や北川航也、ボランチの井手口陽介に積極的に縦パスを入れて、攻撃のスイッチを入れた。

存在感を見せつけていた中谷は、後半に入っても集中したプレーを披露。65分には相手の攻撃をはね返して南野の決勝ゴールの起点となると、守備では87分にMFパク・スンホ(バルセロナユース)のドリブル突破に対してうまく間合いをとり、足からボールが離れた瞬間を見逃さずに低い重心から腰を入れてブロック、ボールを奪い取ってみせた。後半アディショナルタイムに入ると、韓国はロングボールを多用したが、今度は空中戦でも負けることなく、ヘッドではね返し続けた。

気迫の裏側にはある悔しい思いがあった。昨年、UAEで開催されたU-17W杯のメンバーに彼の名前はなかった。一昨年のAFC U-16選手権(イラン)ではCBとして守備を束ね、U-17W杯出場権獲得に大きく貢献した。しかし、肝心のW杯大会ではメンバーから外れてしまったのだ。

「W杯に出られなかったことで、周りとの差はかなりついたと思う。なぜ選出されなかったのかはまだ分からないけど、世界の舞台に立てば理由が見えてくるかもしれない。チームで活躍して、自分の力で世界へいく必要がある」。

メンバーから外れたことで目標が見えた中谷は、所属する柏レイソルで課題克服に向け邁進した。

「フィジカルも足りなかったし、ラインコントロールやパスなど技術を高める必要があった。プロに入ってからしっかり食べて、自分なりに体をつくってきた。レイソルの選手を相手に練習してきたことで、フィジカルは鍛えられてきたと思う。1対1で負けない自信がついていただけに、韓国のような相手はやりやすかった」。

フィジカルと闘争心を鍛え上げ、空中戦、読み、駆け引き、ラインコントロール、フィードと、CBに必要な要素すべてに磨きをかけた。

この過程には偉大なコーチの存在が大きかった。かつて日本代表のCBを務め、『アジアの壁』と称された井原正巳(現・柏ヘッドコーチ)だ。高い対人能力と空中戦、冷静かつ的確なラインコントロールを誇った往年の名手に、CBとしてのいろはを叩き込まれた。

初戦の中国戦では井原コーチの教えを忘れてしまうほど緊張をし、ミスを犯してしまった。相手のドリブルに対して一発で取りにいったところを簡単にかわされ、中央突破を許してしまった。「軽いプレーだった。うかつに食いついてしまい、(GK中村)耕輔くんにすごく怒られた」(中谷)。ただ、このミスがいいきっかけとなった。その後は冷静さを取り戻すと、韓国戦では恩師の『目の前の相手に絶対に負けてはいけない』という言葉を、身をもって実践。日本の『壁』となり最終ラインで堅守を見せ、「あの言葉をしっかり生かせたと思う」と納得の表情を見せた。

グループステージの3試合では、冷静な守備を見せながらも随所に闘争心を前面に出したプレーが見られた。「ミャンマーに来る前にゴン中山さんの話を聞いたんです。『魂を持って戦えば勝てる』と言われたので、そこを強く意識しました。特に韓国戦は魂を入れて戦うことができました」。

この3試合で精神的にも、技術的にも大きく成長をしたDFリーダー・中谷進之介。世界に出られなかった悔しさを力に変えきたからこそ、ミャンマーの地で躍動していると言えよう。

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