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スペインでジュニア年代から徹底される方向付けのトラップ/認知を高める指導方法「エコノメソッド」

パリ・サンジェルマンやアルビレックス新潟、興國高校サッカー部なども導入している「エコノメソッド」は、サッカーサービス社やスペインの経験豊富な指導者、そして大学の教授たちによって独自に開発された指導メソッドです。今回、COACHUNITEDでは、「エコノメソッド」のトレーニングメニューを4つのテーマに沿って紹介しています。

連載企画の最後となる今回は『コントロール・オリエンタード』についてお届けします。

(※この記事はサカイクから再編集し転載したものです)

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1回目 パスを向上させる基礎的なポゼッションゲーム>>
2回目「スペースの認知」を学ぶトレーニング>>
3回目「サポートの意識」を高めるトレーニング>>

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「コントロール・オリエンタード(Control Orientado)」とは

スペイン語で「方向づけをしたボールコントロール」の意味を持ちます。トラップと聞くと「止める」イメージがありますが、実戦の中では、立ち止まってボールを受ける場面はほとんどありません。次のプレーをしやすくするためには、視野を確保するための身体の向き、自分がプレーしたい場所へと方向づけしたコントロールが必要となります。

そのためには、味方からパスを受ける際に、ボールにおへそを向けた(正面を向いた)状態では、視野が狭くなってしまいます。ボールに対して半身で受け、ファーストタッチを足元に止めるのではなく、次のプレーを考えて、身体とボールを方向づけすることが重要です。

テーマ4 『コントロール・オリエンタード』

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【進め方】

1.長方形のグリッドを作り、ピッチを3つのゾーンに分けます。

2.ゴールに近いゾーンAには各チームから1人ずつ。中央のゾーンBには攻撃側のフリーマンを置き、各チーム2人ずつの選手が入ります。

3.GKが同じゾーンAにいる味方にパスを出し、ゲームがスタート。

4.中央のゾーンBにいる攻撃側の選手の1人が、ゴールに近いゾーンAに降りて、GKを含み3対1の状況を作ります。ゾーン間の突破はドリブルやパスではなく、コントロール・オリエンタードで行います。
ゴールが決まる、もしくはピッチの外へボールが出たら、相手チームのGKからプレーを再開します。試合の中でDFがボールを奪ったら、GKへバックパスをして、GKボールから始めます。

【トレーニングのポイント】

●コントロール・オリエンタードでライン突破

ゲーム形式の中でコントロール・オリエンタード(方向付けたトラップ=次のプレーにつながるコントロール)を身に付けます。コントロール・オリエンタードでラインを突破するのは、どの選手でもOKです。

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【コーチングの例】

「前にスペースがあるときは、足元にボールを止めない。ボールとゴールの両方を見られる身体の向きを作り、コントロール・オリエンタードでラインを突破しよう」
「パスを受けられる位置でサポートできている?」

【アドバイス】

●適切なコントロールで前進する
この練習もグローバルメソッドのトレーニングメニューです。試合の中で実際に起こりうる状況を作り、それに即した形でトレーニングをします。大切なのは、味方がボールを持ったときにパスを受けられる位置に入ること。そしてパスを受けた際には、前にスペースがある場合は適切なコントロールで前進することです。

●テーマを明確に集中してトレーニングする
正しくサポートをすることができれば、2対1、3対2と数的優位なので、前のゾーンへと進むことができます。トレーニングをする際、一度に多くのことを選手たちに要求すると、なにをすればいいのか混乱してしまいます。トレーニングごとにテーマを明確に設定し、それに対してのみ集中的に指導をするようにしましょう。

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2回目「スペースの認知」を学ぶトレーニング>>
3回目「サポートの意識」を高めるトレーニング>>

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