10.18.2023
無料でトレーニングの情報が得られる。日本クラブユースサッカー連盟とCOACH UNITEDが取り組む指導者応援プロジェクト
2022年、日本クラブユースサッカー連盟(以下、JCY)は、COACH UNITED ACADEMYを運営する株式会社イースリーと「JCY育成パートナー」として、パートナーシップ契約を締結しました。
そこで今回はJCYの技術委員長を務める丸山和毅さんに、クラブユース連盟の主な仕事と、今後「JCY育成パートナー」として、イースリーと取り組みたいことについて話を伺いました。(取材・文 鈴木智之)
(日本クラブユースサッカー連盟で技術委員長を務める丸山和毅さん)
JCYには、Jクラブの他に街クラブも加盟している
福岡県福岡市を拠点に活動する『西南フットボールクラブ』の代表を務める丸山和毅さん。大学だった1996年に当時所属していた体育会サッカー部の指導者が中心となり、クラブを立ち上げ、今年で27年目を迎えます。
その歩みを振り返り、「最初は小学生年代のクラブから始まり、現在は園児から社会人まで、すべてのカテゴリーが揃いました。少しずつ大きくなっていった感じですね」と笑みを浮かべます。
現在はクラブの代表理事を務め、主に九州クラブユース連盟や日本クラブユース連盟の仕事を行っています。JCYの技術委員になり、2022年に同連盟の技術委員長に就任しました。
「技術委員長の活動は多岐に渡ります。『日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会』の優秀選手を選考することも役割のひとつです。優秀選手は全国9地域の選考委員の方々と選考するのですが、内容に関して各地域にフィードバックするためのレポートの作成にも取り組んでいます」
ほかにも、日本サッカー協会主催のエリート事業に指導者を派遣したり、国体のテクニカルスタディグループの指導者派遣など、9地域の指導者仲間を繋いでいく、コーディネーター的な役割もしているとのこと。
JCYには、Jクラブのアカデミーの他に、街クラブも加盟しています。全国大会などの大規模な大会となると、Jのクラブのアカデミーの出場が多いですが、丸山さんは「街クラブの指導者にも、有益な活動の場や情報を提供したい」と話します。
自分のチームを振り返り、レベルアップを図りたい指導者は多い
2022年、JCYはCOACH UNITED ACADEMYを運営する株式会社イースリーと「JCY育成パートナー」として、パートナーシップ契約を締結しました。
この提携により『JCYカラダケアプロジェクト(保護者向け)』と『JCY指導者応援プロジェクト』を推進していくことになります。
JCYとしても、指導や育成に役立つ情報を、多くの指導者に知ってもらうことの重要性を痛感しているそうで、「イースリーさんとの取り組みに、可能性を感じています」と言います。
「指導者の側からすると、学ぶ時間を捻出するのが難しいという問題があります。また、ある程度指導のキャリアを積むと、自分のスタイルや指導哲学が確立され、新たに何かを学ぼうという気持ちが少なくなってしまうので、情報を提供する側としても、工夫が必要だと感じています」
丸山さん自身、学びを止めないように意識しているそうで、日本サッカー協会のフィジカルフィットネスプロジェクトの研修会に参加したときは「アスリートとして、どうやって身体作りをしていくかがわかりやすく学べて、興味深かった」と、新たな知見を獲得するとともに、情報取得の重要性を再確認したそうです。
以前、COACH UNITED ACADEMYでジュニアユース年代の指導者にアンケートをとったところ「ゲーム分析の仕方を学びたい」という意見が多く寄せられました。
この結果に関して、丸山さんは「自分のチームを振り返り、現象や課題をトレーニングに落とし込んで、レベルアップを図りたいという気持ちが大きいのだと思います」と感想を述べます。
LINEアカウントを通じて、無料のコンテンツ配信を実施
丸山さんはU-15年代のオールスターとも言える「メニコンカップ」の選手選考に、2014年から携わっていますが「U-15の時点で注目されている選手でも、将来プロとして、トップレベルで活躍する選手は少ない」と、選手の未来を予測することの難しさを感じているようです。
(今年度も実施された第29回メニコンカップ)
「将来、プロになるような選手は、遅咲きのタイプも多いです。そのような経験も踏まえて、トップレベルで活躍するための選手育成について、様々なデータや知見をもとに、より良い情報を提供できたらと思っています」
また、成長期にあるU-15年代においては「ケガ予防」や「ケガからの復帰」なども重要になります。
「メディカル部門に関しては、人員や予算の問題もあり、各クラブが十分な陣容を組むのは難しいと感じています。そこで、ケガ予防や復帰のためのトレーニング計画などの情報を提供することができたら、喜ばれるのではないかと思います」
JCYとしては、指導や育成に役立つ情報を発信する機会は少なかったそうで「イースリーさんとの協力体制を、連盟としても積極的に活用したい」とビジョンを話してくれました。
今回の「JCYカラダケアプロジェクト」「JCY指導者応援プロジェクト」ともに、LINEアカウントを通じて、コンテンツ配信を行っています。指導者、保護者の方はぜひ登録してみてはいかがでしょうか? 無料で充実した内容が得られるので、指導やケアの参考にしてみてください。
取材・文 鈴木智之