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"回数"を競うのではなく、"身体を上手く動かす"ためのリフティング練習法

手軽にできる練習メニューの代表格と言えるリフティングですが、ただこなすだけでなく、少し意識を変えるだけでプレーが大きく成長します。今回は個人技指導のスペシャリストとして知られるフリーのプロサッカーコーチ、三木利章さんにサッカーが上手くなるためのリフティング方法をお聞きしました。(取材・文・写真・動画:森田将義)

※サカイク2017年9月8日掲載記事より転載

ドリブル リフティング 練習法

リフティングの目的は、"回数"ではなく"身体を動かせる"ようになること

サッカーが上手くない選手は「技術がない」の一言で片づけられることが多いのですが、そうした選手は技術がないのではなく、身体動作が上手くできないからボールを扱うことができないと考えています。逆を言えば、上手い選手は身体をスムーズに動かすことができるからこそ、色んなボール扱いができる。サッカーが上手くなるためには、まずは身体を上手に動かせるようになるのが一番で、そのためにはリフティングが理想的と言える練習と言えます。私はボールを使ったエクササイズだと思っており、指導を行うチームでは、アップの代わりに毎回、リフティングを取り入れています。

ドリブル リフティング 練習法

同じようにリフティングに力を入れているチームは多いと思うのですが、100回、1000回など回数を増やすことが目標になって、「インサイドだけ」「アウトサイドだけ」など指定した箇所でしかボールを扱えない選手が珍しくありません。回数を目標にする場合は、忍耐力や集中力を養うことができますが、私の目標はリフティングを通じて、身体の神経系を刺激し、足を自由自在に動かせるようになること。

そのためには、キックの基本形であるインステップ、インサイド、アウトサイド、太ももの4箇所で全てリフティングができることを目指しています。私の教えるチームでは、これらにアウトサイドからインサイド、インサイドからアウトサイドなど複数のタッチを基本として教えています。まずは、1箇所でリフティングができることを目標にしますが、ただこなすのではなく、様々な複数の要素を意識することが、サッカーが上手くなるためのポイントです。

ポイント1.同じ場所、同じ体の向きでボールを触り続ける

私がリフティングを教える場合は選手にまず同じ場所、同じ体の向きでボールを触り続けることを意識させています。決めたエリアからボールが逸れてしまうと、足を伸ばしたり、体がのけぞったりして、身体のバランスを崩してしまうため、次の動きがスムーズにできません。実際の試合で同じ状態になれば、ボールをコントロールできず、相手にボールを奪われてしまうでしょう。ボールをしっかりコントロールできるようになるためには、同じエリアでリフティングを続けることが大事なのです。同じエリアでボールを触り続けるコツは、身体の中心(お腹の前あたり)でボールを触り続けることです。

エリアは足を一歩伸ばした程度で描く円形くらいの大きさが理想です。慣れないうちは、マーカーなど目印を置くのも良いでしょう。サッカーを始めたばかりの選手であれば、ワンバウンドでも構わないので、同じ箇所でリフティングを続けることから始めるのがおススメです。それができるようになれば、1回できればボールをキャッチ、2回できればボールをキャッチというように1回ずつリフティングの回数を増やしていきます。サッカーを始めたばかりの選手は、タッチが大きくなり、リフティングが終わるケースが多いのですが、ボール扱いがブレてしまっても、ノーバウンドでキャッチできる範囲であれば、自分のエリア内でボールを扱えているので問題ありません。

【NG】
ドリブル リフティング 練習法身体の中心からボールが逸れたり、エリア外に出てしまうと体勢が崩れ、次のタッチができない。

【OK】
ドリブル リフティング 練習法理想的なリフティングのフォーム。常にボールタッチは身体の中心かつ、自分のエリア内で。

ポイント2.3つの関節をしっかり動かす

もう一つのポイントは、関節をしっかり動かすことです。人間の身体は足首と膝と股関節の3か所が動き、これらにはそれぞれ内側にひねる内旋と、外側にひねる外旋という動作があります。これらの関節を満遍なく動かすために、キックの種類を偏りなく行うように意識しましょう。

インステップでボールを触れば、足首の関節を動かすことができますし、インサイドやアウトサイドでボールを触れば、膝・股関節を動かすことができます。アウトサイドでボールを触る際に気をつけたいのは、ボールの位置です。アウトサイドでボールを触る際は、足を外側に開ける選手が多いのですが、股関節を内側にひねるために足を前に出してボールを触るのが理想的なタッチです。

【NG】ドリブル リフティング 練習法間違ったアウトサイドでのボールタッチ。足が外側に開いてしまっている

【OK】ドリブル リフティング 練習法理想的なアウトサイドでのボールタッチ。股関節をしっかりひねり、足が前に出ている

最後にリフティングの見本を動画で紹介するので、2つのポイントを意識して、ぜひ皆さんも真似してみてください。

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インステップのリフティング

インサイドのリフティング

アウトサイドのリフティング

三木利章 ドリブル サッカーコーチ

三木利章(みき・としあき)

プロサッカーコーチ。主に少年サッカーチームやジュニアユースチームの指導、スクール主催などの精力的に活動。育成年代で一番大切な『個』の技術・戦術の向上を目指し、実践で生かせる個人スキルを身につける指導を行っている。