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リフティングは算数と同じ。段階的に難易度をあげることで実戦的ボールコントロールを身につける

一人で簡単にできる練習メニューの代表格、リフティング。前回は個人技指導のスペシャリストとして知られるフリーのプロサッカーコーチ、三木利章さんにリフティングで意識したい基礎のポイントをお聞きしましたが、後編となる今回は中級者から上級者向けのリフティングについてお聞きしました。(取材・文・写真・動画:森田将義)

<<前編:"回数"を競うのではなく、"身体を上手く動かす"ためのリフティング練習法

リフティング練習をする選手たち

リフティングは選手が楽しめる難易度の設定が大事

リフティングが面白くないという選手は、続かないことが原因だと僕は考えています。目標の設定を100回など一定の回数に設定してしまうと、できない選手は楽しめず、リフティングに気持ちが向かなくなります。

選手がリフティングに打ち込むためには、大人が難易度を適切に設定してあげることが大事なのです。前編のように基本ができるようになれば、選手に応じて難易度を変えていきましょう。

難易度を変えることは選手の成長を促すため意味でも欠かせません。算数でも、足し算、引き算、掛け算、割り算を覚えれば、発展形として分数などを学んでいくのと同じでサッカーも基礎ができるようになれば、次に技術を発展させていく必要があります。

もちろん同じことを反復することで身につく技術もありますが、できることだけを続けていても、神経系を刺激できません。

技術を伸ばしていくためには、「利き足でできるようになれば、次は逆足や両足できるようになろう」と声をかけ、できることを増やし、脳に刺激を与え続けることが選手の成長に繋がります。

発展形のリフティングとして、まず初めに行うのはタッチの箇所を増やしたリフティングをおススメします。インサイドだけでボールを扱えるようになれば、次の段階としてインサイドとアウトサイドなど2つのタッチを順番に行いましょう。

それができれば、太ももやインステップのタッチを入れ、3つ、4つのタッチでリフティングを行い、選手ができることを増やしていきます。ボールタッチの順番やリズムを変えてみるのも、選手に刺激を与えるために効果的です。

太もも→アウトサイド→インサイドのリフティング

太もも→インサイド→アウトサイドのリフティング

足元ばかりに集中しない、実戦で使えるボールタッチを身につける

ここからは、より実戦的なリフティングを行います。試合では、どこでどういったプレーをするのか状況を判断し、考えながらプレーしなければいけません。

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考えてプレーするためには、大事なのは周りの情報を知ることで、そのためには顔を上げた状態で正確にボールを扱えるようになる必要があります。

リフティングを続けると、足元に集中し、ヘッドダウンしてしまいますが、問題解消のために有効なのは、足以外の動作を交えて行うコーディネーション系のリフティング。リフティングをしながら、顔を上下左右にふったり、手を叩いたり、身体をタッチするなど、足だけでなく複数の動作や要素を同時に行う事で脳への刺激を与えます。

こうした動きが自然にできるようになれば、ドリブルをしながら相手のポジションを見てパスを選択したり、キーパーの位置を見てミドルシュートを狙ったり、複数の選択肢を持ちながらプレーする事にも繋がる事が期待できます。

顔をふりながらリフティング

手を叩きながらリフティング

身体をタッチしながらリフティング

しゃがむ動作をまじえたリフティング

最後のステップとして行うのは、移動しながらのリフティングです。これまでは静止した状態でリフティングを行ってきましたが、サッカーは動きながらボールを扱うスポーツ。リフティングをしながら前進や後進することで、動きながらも正確にボールを扱える感覚を養います。

移動しながらリフティングをすると身体の軸がブレて、ボールタッチが大きくなってしまいがちですが、前編で紹介したように自分のエリア内でボールを触ることを忘れてはいけません。

身体や足が自由自在に動き、ボールを扱えるようになれば、試合で余裕が生まれます。また、滑らかにしなやかに動けるようになれば、ケガの防止にも繋がります。

ただ漠然と取り組みがちな、リフティングですが、意識して行えば、選手の成長に繋がりますし、試合で活きる要素がたくさん詰まっているのです。

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三木利章(みき・としあき)

プロサッカーコーチ。主に少年サッカーチームやジュニアユースチームの指導、スクール主催などの精力的に活動。育成年代で一番大切な『個』の技術・戦術の向上を目指し、実戦で生かせる個人スキルを身につける指導を行っている。