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オランダ流サッカー分析 第1回「サッカーの構造について」フィールドでは、何が起こっているのか?

試合を分析し、勝利へとつなげる。オランダは、この考えをしっかりと実践してきたことでサッカーの強豪国となりました。同国1部リーグの名門アヤックスで活躍されるユース年代の分析担当・白井裕之さんが、試合分析の重要性を解説。(文/COACH UNITED編集部・一色伸裕 photo by ING Nederland

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人口1,600万人と小国のオランダですが、2010年南アフリカW杯では準優勝、今年6月のブラジルW杯では3位と、サッカー界では先進国としてその地位を築いています。その要因を、アヤックスでゲーム分析担当をされている白井裕之氏は、「ゲーム分析の分野が国単位で確率されており、オランダ人コーチ間で共有されているから」と説明。「サッカーを分析する言葉を統一することで、指導者間、指導者と選手間のコミュニケーションが円滑になる」と述べました。

白井氏は、「ゲーム分析をする上で、『まずはサッカーとは何か』、サッカーの構造を知ることが重要」といいます。オランダではサッカーは『ゲーム』で、その目的は『勝つこと』と考えられており、勝つためにはより多くの得点が必要となります。このゲームであるサッカーを分解すると、『攻撃』『守備』『攻守の切り替え』の3つに分けることができ、これをオランダでは『チームファンクション』と呼ぶとのこと。これをさらに細分化すると『チームタスク』になり、攻撃のチームタスクは『ビルドアップ』『得点する』の二つに、守備は『敵のビルドアップの妨害』『失点を防ぐ』の二つに分けられるのです。

上記サッカーの意図を実践する為に、チームレベルでは『チームオーガニゼーション』(システム、フォーメーション)を基に考え、そのタスクに応じて適材をシステムに当てはめます。オランダでは、4-3-3、4-4-2、5-3-2が基本的なシステムであり、それ以外のシステムはこれら3つの基本形から派生したものと考えられています。
 
次に、チームとしてサッカーの意図を実践するのは選手個人のサッカーのアクションになります。具体的には、パス、シュート、フリーランニング、プレッシャーなどのオン・ザ・ボールとオフ・ザ・ボールのアクションに分けられ、さらには洞察力、判断力といった実際の動き以外のハンドリングも要求され、チームレベルではコミュニケーション、協調が不可欠となるとのことです。
 

攻撃の構造は、下記のようなもので示すことができます。

例①
 チームファンクション:攻撃
 チームタスク:ビルドアップ
 目的:ゴールチャンスをつくり出す
 
例②
 チームファンクション:攻撃
 チームタスク:得点する
 目的:チャンスを得点につなげる

一方の守備の構造は下記のようなものが挙げられます。

例①
 チームファンクション:守備
 チームタスク:敵のビルドアップの妨害
 目的:敵にゴールチャンスを与えない
 
例②
 チームファンクション:守備
 チームタスク:失点を防ぐ
 目的:敵の得点チャンスを防ぐ

「攻撃は『ビルドアップ』と『得点をする』、守備は『ビルドアップの妨害』『失点を防ぐ』といったそのときのタスクの意図と目的を、コーチだけでなく、選手たち、チーム全体で共通認識とすることが大切」(白井氏)

まずはサッカーとは何か、その構造、チームのファンクションとタスクを選手、コーチがしっかりと知ることからその分析が始まると、アヤックスのアナリストは力強く説いています。

次回は、「ゲーム分析の具体的な内容と目的」を白井氏に解説してもらいます。

第2回「ゲーム分析と確認事項」メモを記し事象を解析する>>

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白井裕之(しらい・ひろゆき)
1977年愛知県生まれ。18歳から指導者を始める。24歳のときにオランダに渡り複数のアマチュアクラブのU-15、U-17、U-19の監督を経験。2011/2012シーズンから、AFCアヤックスのアマチュアチームにアシスタントコーチ、ゲーム・ビデオ分析担当者として入団し、その後、2013/2014シーズンからアヤックス育成アカデミーのユース年代専属アナリストとして活動中。UEFAチャンピオンズリーグの出場チームや各国の優勝チームが参加するUEFAユースリーグでも、その手腕を発揮し高い評価を得ている。オランダサッカー協会指導者ライセンスTrainer/coach 3,2 (UEFA C,B)を取得。

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    白井 裕之 氏

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